![]() 抗c35抗体併用療法および方法
专利摘要:
本発明は、癌細胞を殺滅する方法に関し、その方法は、少なくとも1つのC35抗体および少なくとも1つのHER2または少なくとも1つのEGFR抗体を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、それらの抗体は、治療薬とともに投与される。本発明は、これらの方法において有用なC35、HER2およびEGFR抗体にさらに関する。本発明は、C35およびHER2を発現する癌細胞を殺滅する方法に関し、その方法は、前記細胞に:(a)C35に特異的に結合する、ある量の抗C35抗体またはその抗原結合フラグメント;および(b)HER2に特異的に結合する、ある量の抗HER2抗体またはその抗原結合フラグメントを投与する工程を包含する。 公开号:JP2011509246A 申请号:JP2010540656 申请日:2008-12-23 公开日:2011-03-24 发明作者:エリザベス;イー. エバンス,;モーリス ザウドラー, 申请人:ヴァクシネックス, インコーポレイテッド; IPC主号:A61K39-395
专利说明:
[0001] 発明の背景 発明の分野 本発明は、癌細胞、特に、C35を発現する癌細胞を殺滅する方法に関する。1つの局面において、その方法は、少なくとも1つの抗C35抗体および少なくとも1つの抗HER2抗体を投与する工程を包含する。別の局面において、その方法は、少なくとも1つの抗C35抗体および少なくとも1つの抗EGFR抗体を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、それらの抗体とともに、治療薬も投与される。別の局面において、本発明は、C35陽性癌に対する処置を計画する方法に関し、その方法は、レセプター分子(例えば、HER2、EGFRおよびIGFR)の発現について試験する工程を包含する。] 背景技術 [0002] 背景技術 細胞の成長は、身体の特定の必要性に応答して慎重に制御されるプロセスである。時折、細胞分裂に対するルールを命ずる複雑かつ高度に制御される調節が、故障する。これが起きると、細胞は、その恒常性の制御とは無関係に成長および分裂し始め、一般に癌と称される状態が生じる。実際、癌は、25〜44歳のアメリカ人の主な死因の第2位である。] [0003] 癌に対する現在の治療としては、化学療法および放射線療法が挙げられる。化学療法薬は、主にアポトーシスを誘導することによって癌細胞を殺滅する(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3)。放射線療法は、アポトーシスを誘導すること、および他の機序によって癌細胞を殺滅する。しかしながら、化学療法および放射線療法は、所与の腫瘍におけるすべての細胞を殺滅せず、そのような処置を生き延びた細胞は、成長し続ける。したがって、これらの処置は、腫瘍全体を根絶するためには不十分であることが多い。ゆえに、癌を処置する改善された治療方法が必要である。] [0004] 腫瘍細胞において差次的に発現される表面膜マーカーを、抗体を用いて標的化する癌に対する免疫療法のストラテジーも開発されている(例えば、特許文献1、「Monoclonal Antibodies to theHER2 Receptor」1995年5月23日出願;1998年6月23日発行)。しかしながら、腫瘍において差次的に発現される多くの抗原は、腫瘍細胞の表面上に露出されない。結果として、そのような細胞内の抗原は、抗体ベースの治療に対する標的として適当でない。] [0005] 米国特許第5,770,195号明細書] 先行技術 [0006] Fisher,D.E.,Cell 78:539−542(1994) Fung,C.Y.,and D.E.Fisher,J.Clin.Oncol.13:801−807(1995) Lowe,S.W.ら、Cell 74:957−967(1993)] 課題を解決するための手段 [0007] 発明の概要 本発明は、C35およびHER2を発現する癌細胞を殺滅する方法に関し、その方法は、前記細胞に:(a)C35に特異的に結合する、ある量の抗C35抗体またはその抗原結合フラグメント;および(b)HER2に特異的に結合する、ある量の抗HER2抗体またはその抗原結合フラグメントを投与する工程を包含し、ここで、抗C35抗体の前記量および前記抗HER2抗体の前記量は、前記癌細胞を殺滅するために有効である。1つの実施形態において、その方法は、ある量の治療薬を投与する工程をさらに包含する。1つの実施形態(embodment)において、その方法は、インビボにおいて行われる。さらなる実施形態において、その方法は、ヒトなどの哺乳動物において行われる。] [0008] 本発明の1つの実施形態において、治療薬は、化学療法剤である。その化学療法剤は、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセル、アドリアマイシン、ドセタキセル、タキソテール、ゲムシタビンおよびビノレルビンからなる群から選択される。1つの実施形態において、化学療法剤は、パクリタキセルである。別の実施形態において、化学療法剤は、アドリアマイシンである。さらに別の実施形態において、治療薬は、放射線である。] [0009] 本発明の1つの実施形態において、治療薬は、前記抗C35抗体または前記抗HER2抗体のうちの少なくとも1つを投与する前に投与される。別の実施形態において、治療薬は、前記抗C35抗体または前記抗HER2抗体のうちの少なくとも1つを投与した後に投与される。さらなる実施形態において、治療薬は、前記抗C35抗体または前記抗HER2抗体のうちの少なくとも1つと同時に投与される。抗C35抗体および抗HER2抗体は、同時に、または連続的に投与される。1つの実施形態において、抗体またはそのフラグメントの各々は、約0.1mg/kg〜約100mg/kg患者体重の用量で投与される。] [0010] 本発明の1つの実施形態において、抗C35抗体またはフラグメントは、C35に対する結合特異性を保持する、1F2、1B3、MAbc0009、MAb163、MAb165、MAb171およびそれらのバリアントまたは誘導体からなる群から選択される。別の実施形態において、抗C35抗体またはフラグメントは、C35に対する結合特異性を保持する、1F2またはそのバリアントもしくは誘導体である。さらなる実施形態において、抗C35抗体またはフラグメントは、C35に対する結合特異性を保持する、1B3またはそのバリアントもしくは誘導体である。] [0011] 本発明の1つの実施形態において、抗HER2抗体は、トラスツズマブである。] [0012] 本発明の1つの実施形態において、癌細胞は、乳癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、肺癌、前立腺癌、膵癌、結腸癌およびメラノーマからなる群から選択される。別の実施形態において、癌細胞は、乳癌細胞である。さらなる実施形態において、乳癌細胞は、乳管内癌(intraductal carcinoma)細胞である。] [0013] 本発明の1つの実施形態において、本方法は、1つより多い抗C35抗体またはそのフラグメントを投与する工程を包含する。別の実施形態において、本方法は、1つより多い抗HER2抗体を投与する工程を包含する。] [0014] 本発明の1つの実施形態において、抗C35抗体は、ヒト化抗体、キメラ抗体またはヒト抗体である。別の実施形態において、抗HER2抗体は、ヒト化抗体、キメラ抗体またはヒト抗体である。] [0015] 本発明は、患者におけるC35陽性癌細胞を殺滅する方法にも関し、その方法は、前記患者の癌細胞のサンプルにおけるEGFRおよびHER2の発現について試験する工程;および前記癌細胞が、EGFR発現について陽性であるとき、前記癌細胞を殺滅するのに有効な、ある量の抗EGFR抗体およびある量の抗C35抗体を投与する工程;または前記癌細胞が、HER2発現について陽性であるとき、前記癌細胞を殺滅するのに有効な、ある量の抗HER2抗体およびある量の抗C35抗体を投与する工程を包含する。本発明の1つの実施形態において、EGFRまたはHER2の発現は、インビトロアッセイによって測定される。別の実施形態において、インビトロアッセイは、免疫組織化学(IHC)、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)からなる群から選択される。別の実施形態において、EGFRまたはHER2の発現は、インビボアッセイによって測定される。さらなる実施形態において、EGFRまたはHER2の発現は、細胞イメージングアッセイによって測定される。EGFRおよびHER2の発現は、異なるアッセイ方法または同じアッセイ方法によって測定され得る。] [0016] 本発明の1つの実施形態において、癌は、乳癌である。さらなる実施形態において、乳癌は、乳管内癌である。さらに別の実施形態において、乳癌は、乳癌転移である。] [0017] 本発明の1つの実施形態において、抗EGFR抗体は、セツキシマブである。別の実施形態において、抗HER2抗体は、トラスツズマブである。] [0018] 本発明の1つの実施形態において、抗C35抗体は、C35に対する結合特異性を保持する、1B3またはそのヒト化バリアントもしくはヒト化誘導体である。別の実施形態において、抗C35抗体は、C35に対する結合特異性を保持する、1F2またはそのヒト化バリアント誘導体である。さらなる実施形態において、抗C35抗体は、完全ヒト抗体である。] [0019] 本発明の1つの実施形態において、抗EGFR抗体と前記抗C35抗体とが、異なる時点で投与される。別の実施形態において、抗EGFR抗体は、前記抗C35抗体の前に投与される。別の実施形態において、抗HER2抗体と前記抗C35抗体とが、異なる時点で投与される。さらなる実施形態において、抗HER2抗体は、前記抗C35抗体の前に投与される。] [0020] 本発明は、C35陽性癌を有する患者に対する処置を計画する方法にも関し、その方法は、前記癌患者由来の生物学的サンプルにおけるHER2およびEGFRの発現について試験する工程;抗C35抗体およびHER2またはEGFRに対する抗体を含む併用抗体療法を選択する工程(ここで、その生物学的サンプルがHER2発現について陽性であるとき、抗HER2抗体が選択され、その生物学的サンプルがEGFR発現について陽性であるとき、EGFR抗体が選択される)を包含する。1つの実施形態において、生物学的サンプルは、腫瘍組織、血漿および血清からなる群から選択される。] [0021] 本発明の1つの実施形態において、C35陽性癌は、乳癌である。別の実施形態において、乳癌は、乳管内癌である。さらなる実施形態において、乳癌は、乳癌転移である。] [0022] 本発明の1つの実施形態において、抗EGFR抗体は、セツキシマブである。別の実施形態において、抗HER2抗体は、トラスツズマブである。さらなる実施形態において、抗C35抗体は、C35に対する結合特異性を保持する、1B3またはそのヒト化バリアントもしくはヒト化誘導体である。さらに別の実施形態において、抗C35抗体は、C35に対する結合特異性を保持する、1F2またはそのヒト化バリアント誘導体である。別の実施形態において、抗C35抗体は、完全ヒト抗体である。] [0023] 本発明は、抗体併用療法を用いて癌を処置する方法に対して治療的に応答する患者を同定するための方法にも関し、その方法は、前記患者の癌細胞のサンプルにおけるC35、EGFRおよびHER2の発現について試験する工程;前記癌細胞において発現されるC35、EGFR、HER2の組み合わせを決定する工程;および前記癌細胞において発現されるC35、EGFRおよびHER2の組み合わせに対する抗体の組み合わせを提供する工程を包含する。本発明の1つの実施形態において、癌は、乳癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、肺癌、前立腺癌、膵癌、結腸癌およびメラノーマからなる群から選択される。別の実施形態において、癌は、乳癌である。別の実施形態において、乳癌(breast caner)は、乳管内癌である。] [0024] 本発明の1つの実施形態において、C35、EGFRおよびHER2の発現は、インビトロアッセイによって測定される。別の実施形態において、インビトロアッセイは、免疫組織化学(IHC)、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)からなる群から選択される。] [0025] 本発明の1つの実施形態において、EGFRまたはHER2の発現は、インビボアッセイによって測定される。別の実施形態において、EGFRまたはHER2の発現は、細胞イメージングアッセイによって測定される。1つの実施形態において、細胞は、C35とEGFRとの組み合わせを発現する。本発明のさらなる実施形態において、抗体の組み合わせは、抗C35抗体および抗EGFR抗体を含む。別の実施形態において、細胞は、C35とHER2との組み合わせを発現する。別の実施形態において、抗体の組み合わせは、抗C35抗体および抗HER2抗体を含む。1つの実施形態において、細胞は、C35、EGFRおよびHER2の組み合わせを発現する。さらなる実施形態において、提供される抗体の組み合わせは、抗C35抗体、抗EGFR抗体および抗HER2抗体である。] [0026] 本発明の1つの実施形態において、本方法は、前記患者の癌細胞のサンプルにおけるIGFRの発現について試験する工程;前記癌細胞において発現されるC35、EGFR、HER2およびIGFRの組み合わせを決定する工程;および前記癌細胞において発現されるC35、EGFR、HER2およびIGFRの組み合わせに対する抗体の組み合わせを提供する工程をさらに包含する。別の実施形態において、細胞は、C35とIGFRとの組み合わせを発現する。さらなる実施形態において、抗体の組み合わせは、抗C35抗体および抗IGFR抗体を含む。] [0027] 本発明は、C35およびEGFRを発現する癌細胞を殺滅する方法にも関し、その方法は、前記細胞に、C35に特異的に結合する、ある量の抗C35抗体またはその抗原結合フラグメント;およびEGFRに特異的に結合する、ある量の抗EGFR抗体またはその抗原結合フラグメントを投与する工程を包含し、ここで、抗C35抗体の前記量および前記抗EGFR抗体の前記量は、前記癌細胞を殺滅するために有効である。1つの実施形態において、その方法は、ある量の治療薬を投与する工程をさらに包含する。別の実施形態において、その方法は、インビボにおいて行われる。別の実施形態において、その方法は、哺乳動物において行われる。さらに別の実施形態において、哺乳動物は、ヒトである。] [0028] 本発明の1つの実施形態において、治療薬は、化学療法剤である。別の実施形態において、化学療法剤は、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセル、アドリアマイシン、ドセタキセル、タキソテール、ゲムシタビンおよびビノレルビンからなる群から選択される。1つの実施形態において、化学療法剤は、パクリタキセルである。別の実施形態において、化学療法剤は、アドリアマイシンである。さらなる実施形態において、治療薬は、放射線である。] [0029] 1つの実施形態において、治療薬は、前記抗C35抗体または前記抗EGFR抗体のうちの少なくとも1つを投与する前に投与される。別の実施形態において、治療薬は、前記抗C35抗体または前記抗EGFR抗体のうちの少なくとも1つを投与した後に投与される。さらなる実施形態において、治療薬は、前記抗C35抗体または前記抗EGFR抗体のうちの少なくとも1つと同時に投与される。] [0030] 本発明の1つの実施形態において、抗C35抗体と前記抗EGFR抗体とが、同時に投与される。別の実施形態において、抗C35抗体および前記抗EGFR抗体は、連続的に投与される。さらなる実施形態において、抗体またはそのフラグメントの各々は、約0.1mg/kg〜約100mg/kg患者体重の用量で投与される。] [0031] 本発明の1つの実施形態において、抗C35抗体またはフラグメントは、C35に対する結合特異性を保持する、1F2、1B3、MAbc0009、MAb163、MAb165、MAb171およびそれらのバリアントまたは誘導体からなる群から選択される。別の実施形態において、抗C35抗体またはフラグメントは、C35に対する結合特異性を保持する、1F2またはそのバリアントもしくは誘導体である。別の実施形態において、抗C35抗体またはフラグメントは、C35に対する結合特異性を保持する、1B3またはそのバリアントもしくは誘導体である。さらなる実施形態において、抗EGFR抗体は、セツキシマブである。] [0032] 本発明の1つの実施形態において、癌細胞は、乳癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、肺癌、前立腺癌、膵癌、結腸癌およびメラノーマからなる群から選択される。別の実施形態において、癌細胞は、乳癌細胞である。さらなる実施形態において、乳癌細胞は、乳管内癌細胞である。] [0033] 本発明の1つの実施形態において、本方法は、1つより多い抗C35抗体またはそのフラグメントを投与する工程を包含する。別の実施形態において、本方法は、1つより多い抗EGFR抗体を投与する工程を包含する。さらなる実施形態において、抗C35抗体は、ヒト化抗体、キメラ抗体またはヒト抗体である。さらに別の実施形態において、抗EGFR抗体は、ヒト化抗体、キメラ抗体またはヒト抗体である。] [0034] 本発明のこれらおよび他の局面は、以下でさらに詳細に説明される。] 図面の簡単な説明 [0035] 図1は、トラスツズマブ+コントロールIgG、トラスツズマブ+抗C35 1F2抗体、トラスツズマブ+抗C35 1B3抗体または食塩水で処置された、BT474−MD移植マウスの平均腫瘍体積を示している(処置は、移植の12日後に開始した)。トラスツズマブと、1F2または1B3抗C35抗体との組み合わせは、トラスツズマブ単独と比べて腫瘍体積を有意に減少させた。矢印は、処置の時点を示している。 図2は、BT474−MD異種移植(xenoengraftment)後の腫瘍を有しないマウスの数が、トラスツズマブ+コントロールIgGまたは食塩水で処置されたマウスよりも、トラスツズマブ/抗C35併用処置マウス(トラスツズマブ+抗C35 1F2またはトラスツズマブ+抗C35 1B3)の群のほうが多かったことを示している。矢印は、処置の時点を示している。 図3は、アポトーシス後期(A)トラスツズマブ処置BT474細胞染色が、細胞表面抗C35抗体染色に対して陽性であるが、(B)生存細胞は、細胞表面抗C35抗体染色を示さないことを示している。 図4は、トラスツズマブ+コントロールIgG、トラスツズマブ+抗C35 1F2、コントロールIgG、抗C35 1F2または食塩水で処置されたBT474−MD移植マウスにおける平均腫瘍体積を示している(処置を、平均腫瘍体積が約50mm3だった移植の15日後に開始した)。トラスツズマブと抗C35 1F2との併用によって、1F2抗C35抗体単独またはトラスツズマブ単独と比べて、腫瘍体積が有意に減少した。矢印は、処置の時点を示している。 図5は、トラスツズマブ+抗C35 1F2と比較して、トラスツズマブ+コントロールIgGで処置された、または処置なし(食塩水)のBT474−MD移植マウスにおける平均腫瘍体積を示している(処置を、平均腫瘍体積が約100mm3だった移植の22日後に開始した)。トラスツズマブと1F2抗C35抗体との併用によって、トラスツズマブ単独と比べて、腫瘍体積が有意に減少した。矢印は、処置の時点を示している。] 図1 図2 図3 図4 図5 [0036] 発明の詳細な説明 概観 いくつかの研究は、アポトーシスを起こす細胞の表面膜の変化を報告している。これらの変化の中でも顕著であるのは、表面膜の外葉上のホスファチジルセリンの露出に反映されるような、リン脂質の非対称性が早期に喪失することである。この表面膜の組成の変化が、マクロファージによるアポトーシス細胞の認識および除去を促進すると報告されている(Fadok,V.A.ら、J.Immunol.148:2207−2216(1992))。露出されたホスファチジルセリン分子への抗凝固薬のアネキシンVの結合によって、アポトーシスを起こしている細胞の検出を可能にする一般的な方法が開発された(Koopman,G.ら、Blood 84:1415−1420(1994))。] [0037] 化学療法または放射線に誘導されるアポトーシスの条件下において腫瘍細胞膜上に露出されるようになる細胞内の腫瘍特異的抗原または腫瘍関連抗原のサブセットが存在すること、およびそのサブセットが抗体に結合体化された放射性同位体またはトキシンを腫瘍内に集中させるための有効な標的になり得ることが確定している。2005年7月21日公開の米国出願公開番号2005/0158323A1(その全体が本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。特に、内側の細胞膜に通常会合される差次的に発現される腫瘍特異的C35抗原は、放射線および/または化学療法によってアポトーシスを起こすように誘導された腫瘍細胞の表面膜上に露出するようになる。米国出願公開番号2005/0158323A1の図1〜3を参照のこと。そのような抗原(例えば、C35)に対する抗体を使用する方法は、癌を処置する際に、アポトーシスを誘導する標準的な化学療法および放射線療法の治療的な利点を増強し得るので、特に有効であり得る。同様に、他のアポトーシス誘導剤(例えば、表面に発現される細胞シグナル伝達分子(例えば、成長因子レセプター(例えば、HER2、EGFRおよび/またはIGFR))に対する抗体)は、細胞内の抗原に対する抗体、例えば、C35に対する抗体の治療的な利点を改善するために使用され得る。] 図1 図2 図3 [0038] 1つの局面において、本発明は、1つの実施形態において、アポトーシスの誘導と併せて作用することにより、腫瘍の根絶を増強する方法に関する。それは、腫瘍細胞において差次的に発現されるあるクラスの細胞内マーカーが、特異的抗体によって標的化され得るアポトーシス細胞の表面上に露出されるようになるという新規の観察結果に基づく。1つの局面において、アポトーシスは、細胞表面レセプター(例えば、EGFR、HER2またはIGFR)に対する1つ以上の抗体を投与することによって誘導される。さらなる局面において、差次的に発現される細胞内の腫瘍抗原、例えば、C35に対する1つ以上の抗体が、投与される。そのような抗体は、毒性の積み荷(payload)に結合体化されずに、または結合体化されて、投与され得る。この処置方法の利点は、数倍である。例えば、結合体化された抗体を用いるとき、この方法によって、アポトーシス標的の近くの他の非アポトーシス腫瘍細胞を破壊し得る毒性の積み荷を腫瘍環境に送達することが可能になる。また、2つ以上の抗体の組み合わせを投与することによって、それらの抗体が、相乗的に作用し得ることにより、より多くの細胞の殺滅をもたらし、そして化学療法もしくは放射性療法をより低用量にすること、または化学療法もしくは放射性療法を排除することを可能にすることによって、関連する毒性を減少させる。その上、この方法は、例えば、アポトーシス誘導剤で処理することによって、表面膜の構成要素の変化によって証明されるような、アポトーシスプロセスを開始した生存細胞が、アポトーシスの進行を逆転させることおよび成長を再開させることを別途妨げ得る(Hammill,A.K.ら、Exp.Cell Res.251:16−21(1999))。] [0039] Evansらは、C35が、乳癌において過剰発現されること(試験した浸潤性乳腺管癌のグレード1の32%ならびにグレード2および3の66%がC35発現について陽性だった)ことを報告した。Evansら、Mol.Cancer Ther.5:2919−30(2006年11月)(その全体が本明細書中で参考として援用される)。C35の発現が、正常なヒト組織では限定的であるので(Evansら、2006を参照のこと)、それは、特に乳癌における、生物学的マーカーならびに診断的および治療的な標的として使用するための優れた候補である。] [0040] 正常細胞は、成長因子レセプターチロシンキナーゼ(RTK)の、それぞれのリガンドによる高度に制御された活性化によって増殖するが、癌細胞もまた、成長因子レセプターの活性化によって増殖するが、正常な増殖の慎重な制御を失っている。制御の喪失は、数多くの因子(例えば、成長因子および/またはレセプターの過剰発現、ならびに成長因子によって制御される生化学的経路の自律的な活性化)によって引き起こされ得る。腫瘍形成に関与するRTKのいくつかの例は、上皮成長因子(EGFR)、血小板由来成長因子(PDGFR)、インスリン様成長因子(IGFR)、神経成長因子(NGFR)および線維芽細胞成長因子(FGF)に対するレセプターである。これらの成長因子のそれらの細胞表面レセプターに対する結合は、レセプターの活性化を誘導し、それによって、シグナル伝達経路が開始され、改変され、そして細胞の増殖および分化が導かれる。] [0041] 上皮成長因子(EGF)レセプターファミリーのメンバーは、上皮細胞の腫瘍形成に関連する、特に重要な成長因子レセプターチロシンキナーゼである。発見されたEGFレセプターファミリーの第1のメンバーは、多くのタイプの腫瘍細胞上で発現されるEGFRだった。EGFRは、腫瘍細胞の分裂および成長、修復および生存、血管新生、浸潤ならびに腫瘍転移の制御に関与することが見出されている。] [0042] EGFRは、細胞外リガンド結合ドメイン、膜貫通領域および細胞質タンパク質チロシンキナーゼドメインを有する170kDの膜貫通糖タンパク質である。特異的なリガンドが結合することにより、EGFRの自己リン酸化、レセプターの細胞質チロシンキナーゼドメインの活性化、ならびに腫瘍の成長および生存を制御する複数のシグナル伝達経路の開始がもたらされる。EGFR経路は、腫瘍内の、VEGFおよび塩基性線維芽細胞(basis fibroblastic)成長因子(bFGF)などの他の様々な血管新生因子の産生にも影響する。] [0043] 多くのヒト腫瘍は、EGFRを発現するか、または過剰発現すると報告されている。EGFRの発現は、不良な予後、生存時間の短縮および/または転移の増加と相関する。EGFRは、この腫瘍形成への関与が理由で、抗癌治療に対して特異的に標的化されている。これらの治療は、レセプターの細胞外ドメインへのリガンドの結合を阻止するモノクローナル抗体、またはシグナル伝達を妨げるように細胞内領域に対して直接作用する合成チロシンキナーゼインヒビターを主に含んでいる。抗EGFR抗体は、EGFR陽性腫瘍細胞におけるアポトーシスも誘導する。] [0044] ソマトメジンとしても知られるインスリン様成長因子としては、インスリン様成長因子−I(IGF−I)およびインスリン様成長因子−II(IGF−II)が挙げられる(Klapperら、Endocrinol.112:2215(1983);Rinderknechtら、Febs.Lett.89:283(1978))。これらの成長因子は、IGFR1に結合することによって(Sepp−Lorenzino Breast Cancer Research and Treatment 47:235(1998))腫瘍細胞を含む様々な細胞型に対してマイトジェン活性を発揮する(Macaulay Br.J.Cancer 65:311(1992))。IGFとIGFR1との相互作用は、チロシン残基上のレセプターの自己リン酸化を引き起こすことによってレセプターを活性化する(Butlerら、Comparative Biochemistry and Physiology 121:19(1998))。いったん活性化されると、IGFR1は、細胞内の標的を次々にリン酸化することにより、細胞のシグナル伝達経路を活性化する。このレセプター活性化は、腫瘍細胞の成長および生存の刺激に対して決定的なものである。ゆえに、IGFR1活性の阻害は、ヒトの癌の成長および他の増殖性疾患を処置するためまたは予防するための価値ある有望な方法である。] [0045] いくつかの一連の証拠から、IGF−I、IGF−IIおよびそれらのレセプターであるIGFR1が、悪性の表現型の重要なメディエーターであることが示唆される。IGF−Iの血漿レベルは、前立腺癌リスクの最も強力な予測子であることが見出されており(Chanら、Science 279:563(1998))、そして同様の疫学的研究は、血漿IGF−Iレベルと乳癌、結腸癌および肺癌のリスクとを強く結びつけている。] [0046] 化学的に誘導されたラットの神経芽細胞腫由来のDNAを用いたトランスフェクション研究の結果として、別のトランスフォーミング遺伝子が、同定された。当初はneuと呼ばれたこの遺伝子は、c−erbB癌原遺伝子に関連することが示されたが、c−erbB癌原遺伝子とは異なるものである。ヒトのゲノムDNAライブラリーおよび相補DNA(cDNA)ライブラリーをスクリーニングするプローブとしてv−erbBおよびヒトEGFRを用いて、2つの異なるグループが、独立して、それぞれHER2およびc−erbB−2と呼ばれるヒトerbB関連遺伝子を単離した。その後の配列解析および染色体マッピング研究から、c−erbB−2およびHER2が、neuのバリアント種であることが明らかになった。] [0047] HER2もまた、チロシンキナーゼファミリーのメンバーであり;そしてCoussensら、Science 230:1132(1985)によって報告されているように、EGFR遺伝子と密接に関係するが、EGFR遺伝子とは異なるものである。HER2は、EGFR遺伝子が位置する7番染色体のバンドp11−p13に対して、17番染色体のバンドq21に見られるという点でEGFRと異なる。また、HER2遺伝子は、4.8kbのメッセンジャーRNA(mRNA)を生成し、これは、EGFR遺伝子に対する5.8および10kbの転写物と異なる。最後に、HER2遺伝子によってコードされるタンパク質は、EGFR遺伝子によってコードされる170,000ダルトンのタンパク質に対して、185,000ダルトンである。逆に、配列データに基づくと、HER2は、チロシンキナーゼファミリーの他のメンバーよりもEGFR遺伝子とより密接に関係する。EGFRタンパク質のように、HER2タンパク質(p185)は、細胞外ドメイン、2つのシステインリッチリピートクラスターを含む膜貫通ドメイン、および細胞内キナーゼドメインを有する。さらに、HER2遺伝子の増幅は、疾患の不良な予後および再発の可能性と有意に相関した。抗EGFR抗体のように抗HER2抗体は、腫瘍細胞においてアポトーシスを誘導する。] [0048] 他の研究者らは、HER2などの細胞外に発現される抗原を用いて、そのタンパク質の異なるエピトープに対する2つの異なる抗HER2抗体の投与によって、インビボおよびインビトロにおいて抗腫瘍活性がもたらされたことを観察した。Spiridonら、Clin.Cancer Res.8:1720−30(2002)(その全体が本明細書中で参考として援用される)。実際に、2つの異なる抗HER2抗体(Spiridon,2002;Friedmanら、Proc.Natl.Acad.Sci USA 102:1915−1920(2005));2つの異なる抗EGFR抗体(Friedman,2005;Pereraら、Clin.Cancer Res.11:6390−6399(2005));および1つの抗HER2と1つの抗EGFR抗体との組み合わせ(Larbouretら、Clin.Cancer Res.13:3356−3362(2007))の投与について、相乗効果が証明されている。これらの相乗効果は、同じ分子上の異なるエピトープに対する高親和性抗体を混合することによる、細胞表面分子の過剰架橋(hypercrosslinking)の結果である(Spiridon,2002)。HER2鎖とEGFR鎖の間でヘテロ二量体も形成されるので、架橋は、1つの抗HER2および1つの抗EGFR抗体を用いても可能である。1つより多いエピトープを同時に会合することによって、抗体−レセプター複合体の大きな凝集体が形成される。これらの大きな凝集体は、より小さい抗体複合体よりも速くエンドサイトーシスによって取り込まれ、それにより、レセプターの除去が加速される(Friedman,2005)。しかしながら、Spiridonらが、上で記載したように、細胞外に発現されるタンパク質HER2を観察した一方で、C35は、アポトーシスに関連して細胞表面上に発現されるようになる細胞内抗原である。1つの局面において、本発明は、抗HER2および/または抗EGFR抗体を使用することにより、C35の細胞表面発現を誘導し、それにより、抗C35抗体と抗HER2および/または抗EGFR抗体との相乗効果を引き起こすことに関する。] [0049] C35遺伝子は、染色体17q12に位置し、ERBB2(Her2/neu)遺伝子の3’末端から505ヌクレオチドの位置に存在する(Evansら、2006)。1つの研究において、C35およびHER2の発現が、相関すると示され、試験されたすべてのHER2陽性乳房腫瘍が、C35陽性でもあった(Evansら、2006)。50%ものC35+乳房腫瘍が、HER2も発現するので、それらは、C35抗体とHER2抗体との組み合わせで処置され得るが、多くのC35+腫瘍は、HER2を低発現するか、または発現しない。本明細書中の以下の実施例によって証明されるように、C35陽性腫瘍の大部分が、HER2またはEGFRを発現し、C35+腫瘍の小サブセットが、HER2とEGFRの両方を発現し、同様の小サブセットが、HER2もEGFRも発現しない。上で考察したように、HER2とEGFRの両方が、腫瘍の形質転換に関連し、抗体によって標的化されるとき、各々は、アポトーシスを誘導すると報告されている。本明細書中の以下で証明されるように、30個の解析された腫瘍のうち、7/30個の腫瘍が、C35+/Her2+/EGFR−であり、17/30が、C35+/Her2−/EGFR+であり、3/30が、C35+/Her2+/EGFR+であり、たった3/30が、C35+/Her2−/EGFR−だった。したがって、C35抗体とHER2抗体またはC35抗体とEGFR抗体との組み合わせが、これらの抗原が陽性である腫瘍を処置するために有用であり得る(例えば、アポトーシス誘導することにより、抗C35抗体を用いて標的化され得る表面上にC35を露出させることによって)。抗C35抗体と共に使用されるHER2抗体およびEGFR抗体の相乗作用は、少なくとも部分的に、それらがC35の細胞表面露出を引き起こすことである。また、抗体を個別に使用する処置とは対照的に、2つの抗体を使用することによって、両方の分子のレセプター除去活性、細胞殺滅または他のエフェクター機能が増大し得る。ゆえに、1つの局面において、本発明は、癌、特に、乳癌を処置するための方法に関し、その方法は、癌細胞を殺滅するのに有効な、ある量の抗C35抗体ならびにある量の抗HER2抗体および/またはある量の抗EGFR抗体を投与する工程を包含する。] [0050] I.定義 用語「a」または「an」の実体は、その実体の1つ以上のことを指すことに注意するべきである;例えば、「C35抗体(a C35 antibody)」は、1つ以上のC35抗体を表していると理解される。このように、用語「a」(または「an」)、「1つ以上の」および「少なくとも1つ」は、本明細書中で交換可能に使用され得る。] [0051] 本明細書中で使用されるとき、用語「ポリペプチド」は、単数の「ポリペプチド」ならびに複数の「ポリペプチド」を包含すると意図され、そしてアミド結合(ペプチド結合としても知られる)によって直線的に連結されたモノマー(アミノ酸)から構成される分子のことを指す。用語「ポリペプチド」とは、2つ以上のアミノ酸の任意の鎖のことを指し、特定の長さの生成物のことを指さない。したがって、ペプチド、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド、「タンパク質」、「アミノ酸鎖」、または2つ以上のアミノ酸の鎖のことを指すために使用される他の任意の用語は、「ポリペプチド」の定義の中に含められ、用語「ポリペプチド」は、これらの用語のいずれかの代わりに使用されてもよいし、これらの用語のいずれかと交換可能に使用されてもよい。用語「ポリペプチド」は、ポリペプチドの発現後修飾(グリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、公知の保護基/ブロック基による誘導体化、タンパク分解性切断、または天然に存在しないアミノ酸による修飾を含むがこれらに限定されない)の産物のことを指すとも意図される。ポリペプチドは、天然の生物学的供給源に由来し得るか、または組換え技術によって生成され得るが、必ずしも指定された核酸配列から翻訳されるわけではない。ポリペプチドは、化学合成を含む任意の様式によって生成され得る。] [0052] 本発明のポリペプチドは、約3以上、5以上、10以上、20以上、25以上、50以上、75以上、100以上、200以上、500以上、1,000以上または2,000以上のアミノ酸のサイズであり得る。ポリペプチドは、確定した3次元構造を有し得るが、それらは、必ずしもそのような構造を有するわけではない。確定した3次元構造を有するポリペプチドは、折り畳まれていると称され、確定した3次元構造を有するのではなく多数の様々なコンフォメーションをとり得るポリペプチドは、折り畳まれていないと称される。本明細書中で使用されるとき、糖タンパク質という用語は、少なくとも1つの炭水化物部分に結合されたタンパク質のことを指し、その炭水化物部分は、アミノ酸残基、例えば、セリン残基またはアスパラギン残基の酸素含有側鎖または窒素含有側鎖を介してそのタンパク質と結び付いている。] [0053] 「単離された」ポリペプチド、またはそのフラグメント、バリアントもしくは誘導体は、その天然環境に存在しないポリペプチドと意図される。特定のレベルの精製は必要ない。例えば、単離されたポリペプチドは、その本来または天然の環境から取り出されている。組換え的に生成されたポリペプチドおよび宿主細胞内で発現されたタンパク質は、本発明の目的で、任意の適当な手法によって、分離されているか、分画されているか、または部分的もしくは実質的に精製されている、天然または組換えのポリペプチドであるので、単離されていると考えられる。] [0054] 前述のポリペプチドのフラグメント、誘導体、アナログまたはバリアントおよびそれらの任意の組み合わせもまた、本発明のポリペプチドとして含められる。用語「フラグメント」、「バリアント」、「誘導体」および「アナログ」は、本発明の抗体または抗体ポリペプチドについて言及されるとき、対応する天然の抗体またはポリペプチドの抗原結合特性の少なくともいくつかを保持する任意のポリペプチドを含む。本発明のポリペプチドのフラグメントは、本明細書中の他の箇所で述べられる特定の抗体フラグメントに加えて、タンパク分解性フラグメント、ならびに欠失フラグメントを含む。本発明のC35抗体およびC35抗体ポリペプチドならびに/またはHER2抗体およびHER2抗体ポリペプチドのバリアントは、上に記載されたようなフラグメント、およびアミノ酸の置換、欠失または挿入に起因して変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドも含む。バリアントは、天然に存在するものであってもよいし、または天然に存在しないものであってもよい。天然に存在しないバリアントは、当該分野で公知の突然変異誘発手法を用いて生成され得る。バリアントポリペプチドは、保存的または非保存的なアミノ酸の置換、欠失または付加を含み得る。それらの抗体のバリアントは、その抗体のヒト化バージョン、ならびに親和性成熟されているかまたは親和性最適化された抗体を含む。親和性最適化は、当該分野で周知の通例の方法によって行われ得る。あるいは、本発明の抗体の親和性を高めるための好ましい方法は、US2002/0123057A1に開示されている。本発明のC35抗体およびC35抗体ポリペプチドならびに/またはHER2抗体およびHER2抗体ポリペプチドの誘導体は、天然のポリペプチドに見られないさらなる特徴を示すように変更されたポリペプチドである。例としては、融合タンパク質が挙げられる。本明細書中で使用されるとき、C35抗体およびC35抗体ポリペプチドならびに/またはHER2抗体およびHER2抗体ポリペプチドの「誘導体」とは、官能性側基の反応によって化学的に誘導体化された1つ以上の残基を有する対象のポリペプチドのことを指す。20個の標準的なアミノ酸の1つ以上の天然に存在するアミノ酸誘導体を含むペプチドもまた、「誘導体」に含められる。例えば、4−ヒドロキシプロリンは、プロリンの代わりに用いられ得;5−ヒドロキシリシンは、リシンの代わりに用いられ得;3−メチルヒスチジンは、ヒスチジンの代わりに用いられ得;ホモセリンは、セリンの代わりに用いられ得;そしてオルニチンは、リシンの代わりに用いられ得る。] [0055] 用語「ポリヌクレオチド」は、単数の核酸ならびに複数の核酸を包含すると意図され、そして単離された核酸分子または核酸構築物、例えば、メッセンジャーRNA(mRNA)またはプラスミドDNA(pDNA)のことを指す。ポリヌクレオチドは、従来のホスホジエステル結合または非従来的な結合(例えば、ペプチド核酸(PNA)に見られるようなアミド結合)を含み得る。用語「核酸」とは、ポリヌクレオチドに存在する任意の1つ以上の核酸セグメント、例えば、DNAまたはRNAフラグメントのことを指す。「単離された」核酸またはポリヌクレオチドは、その天然の環境から取り出された核酸分子、DNAまたはRNAと意図される。単離されたポリヌクレオチドのさらなる例としては、異種の宿主細胞内に維持されている組換えポリヌクレオチド、または溶液中の精製された(部分的または実質的に)ポリヌクレオチドが挙げられる。単離されたRNA分子には、本発明のポリヌクレオチドのインビボまたはインビトロにおけるRNA転写物が含まれる。本発明に記載の単離されたポリヌクレオチドまたは核酸は、合成的に生成されたそのような分子をさらに含む。さらに、ポリヌクレオチドまたは核酸は、調節エレメント(例えば、プロモーター、リボソーム結合部位または転写ターミネーター)であり得るか、またはそれらを含み得る。] [0056] 本明細書中で使用されるとき、「コード領域」は、アミノ酸に翻訳されるコドンからなる核酸の一部分である。「終止コドン」(TAG、TGAまたはTAA)は、アミノ酸に翻訳されないにもかかわらず、それは、コード領域の一部であると考えられ得るが、任意の隣接配列、例えば、プロモーター、リボソーム結合部位、転写ターミネーター、イントロンなどは、コード領域の一部ではない。本発明の2つ以上のコード領域は、単一のポリヌクレオチド構築物内に、例えば、単一のベクター上に存在し得るか、または別個のポリヌクレオチド構築物内に、例えば、別個の(異なる)ベクター上に、存在し得る。さらに、任意のベクターが、単一のコード領域を含んでもよいし、2つ以上のコード領域を含んでもよく、例えば、単一のベクターが、免疫グロブリン重鎖可変領域および免疫グロブリン軽鎖可変領域を別々にコードし得る。さらに、本発明のベクター、ポリヌクレオチドまたは核酸は、C35、HER2もしくはEGFR抗体、またはそれらのフラグメント、バリアントもしくは誘導体をコードする核酸に融合されているかまたは融合されていない異種性のコード領域をコードし得る。異種性のコード領域としては、専門化されたエレメントまたはモチーフ(例えば、分泌シグナルペプチドまたは異種性機能ドメイン)が挙げられるが、これらに限定されない。] [0057] ある特定の実施形態において、ポリヌクレオチドまたは核酸は、DNAである。DNAの場合、ポリペプチドをコードする核酸を含むポリヌクレオチドは、通常、1つ以上のコード領域と作動可能に会合されている、プロモーターおよび/または他の転写もしくは翻訳調節エレメントを含み得る。作動可能な会合は、遺伝子産物、例えば、ポリペプチドに対するコード領域が、制御配列の影響下または支配下において遺伝子産物の発現をもたらすような方法で1つ以上の制御配列と会合されているときである。例えば、2つのDNAフラグメント(例えば、ポリペプチドコード領域およびそれに会合されているプロモーター)は、プロモーターの機能が誘導されることによって、所望の遺伝子産物をコードするmRNAの転写がもたらされる場合、かつその2つのDNAフラグメント間の結合の性質が、発現制御配列が遺伝子産物の発現を指示する能力を妨害しないか、またはDNA鋳型が転写される能力を妨害しない場合に、「作動可能に会合される」。したがって、プロモーターが、ポリペプチドをコードする核酸の転写をもたらすことができるならば、そのプロモーター領域は、その核酸と作動可能に会合され得る。そのプロモーターは、所定の細胞のみにおいてDNAの実質的な転写を指示する細胞特異的プロモーターであり得る。プロモーターに加えて、他の転写調節エレメント、例えば、エンハンサー、オペレーター、リプレッサーおよび転写終結シグナルも、細胞特異的な転写を指示するように、ポリヌクレオチドと作動可能に会合され得る。適当なプロモーターおよび他の転写調節領域は、本明細書中に開示される。] [0058] 種々の転写調節領域は、当業者に公知である。これらとしては、脊椎動物細胞において機能する転写調節領域(例えば、限定されないが、サイトメガロウイルス(イントロン−Aに連結している、最初期プロモーター)、サルウイルス40(初期プロモーター)およびレトロウイルス(例えば、ラウス肉腫ウイルス)由来のプロモーターおよびエンハンサーのセグメント)が挙げられるがこれらに限定されない。他の転写調節領域は、脊椎動物遺伝子(例えば、アクチン、熱ショックタンパク質、ウシ成長ホルモンおよびウサギβ−グロビン)に由来するもの、ならびに真核細胞において遺伝子発現を調節することができる他の配列を含む。さらなる適当な転写調節領域としては、組織特異的なプロモーターおよびエンハンサー、ならびにリンフォカイン誘導性のプロモーター(例えば、インターフェロンまたはインターロイキンによって誘導可能なプロモーター)が挙げられる。] [0059] 同様に、種々の翻訳調節領域が、当業者に公知である。これらとしては、リボソーム結合部位、翻訳開始コドンおよび翻訳終結コドン、ならびにピコルナウイルスに由来するエレメント(特に、CITE配列とも称される内部リボソーム進入部位、すなわちIRES)が挙げられるが、これらに限定されない。] [0060] 他の実施形態において、本発明のポリヌクレオチドは、RNA、例えば、メッセンジャーRNA(mRNA)の形態である。] [0061] 本発明のポリヌクレオチドおよび核酸コード領域は、本発明のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの分泌を指示する分泌ペプチドまたはシグナルペプチドをコードする追加のコード領域と会合され得る。シグナル仮説によると、哺乳動物細胞によって分泌されるタンパク質は、いったん、成長中のタンパク質鎖が粗面小胞体を横切って搬出され始めると、成熟タンパク質から切断される、シグナルペプチドまたは分泌リーダー配列を有する。当業者は、脊椎動物細胞によって分泌されるポリペプチドが、通常、そのポリペプチドのN末端に融合されたシグナルペプチド(これは、完全なまたは「完全長」のポリペプチドから切断されることにより、分泌型または「成熟」型のポリペプチドが生成される)を有することを認識している。ある特定の実施形態において、天然のシグナルペプチド、例えば、免疫グロブリン重鎖または軽鎖のシグナルペプチド、またはそれに作動可能に会合されているポリペプチドの分泌を指示する能力を保持する配列の機能的誘導体が、使用される。あるいは、異種性の哺乳動物シグナルペプチドまたはその機能的誘導体が、使用され得る。例えば、野生型のリーダー配列は、ヒト組織プラスミノゲンアクチベーター(TPA)またはマウスβ−グルクロニダーゼのリーダー配列で置き換えられ得る。] [0062] 本発明は、ある特定の抗C35、抗HER2および抗EGFR抗体、またはそれらの抗原結合フラグメント、バリアントもしくは誘導体を使用する方法に関する。天然に存在する抗体などの完全なサイズの抗体について明確に言及されない限り、用語「C35抗体」、「HER2抗体」または「EGFR抗体」(それぞれ用語「抗C35抗体」、「抗HER2抗体」または「抗EGFR抗体」と本明細書中で交換可能に使用される)は、完全なサイズの抗体、ならびにそのような抗体の抗原結合フラグメント、バリアント、アナログまたは誘導体、例えば、天然に存在する抗体もしくは免疫グロブリン分子、または抗体分子と類似の様式で抗原に結合する操作された抗体分子もしくはフラグメントを包含する。同様に、本発明は、ある特定の抗IGFR1抗体、またはその抗原結合フラグメント、バリアントもしくは誘導体を使用する方法に関する。天然に存在する抗体などの完全なサイズの抗体について明確に言及されない限り、用語「IGFR抗体」((IGFRは、本明細書中でIGFR1と交換可能に使用され、IGFR抗体は、本明細書中で用語「抗IGFR抗体」と交換可能に使用される)は、完全なサイズの抗体、ならびにそのような抗体の抗原結合フラグメント、バリアント、アナログまたは誘導体、例えば、天然に存在する抗体もしくは免疫グロブリン分子、または抗体分子と類似の様式で抗原に結合する操作された抗体分子もしくはフラグメントを包含する。] [0063] 用語「抗体」と「免疫グロブリン」とは、本明細書中で交換可能に使用される。抗体または免疫グロブリンは、少なくとも、重鎖の可変ドメインを含み、そして通常は、少なくとも、重鎖および軽鎖の可変ドメインを含む。脊椎動物系における基本的な免疫グロブリン構造は、比較的、十分に理解されている。例えば、Harlowら、Antibodies:A Laboratory Manual,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2nd ed.1988)を参照のこと。また、本明細書中で使用されるとき、「本発明の抗体」または「本発明の抗体ポリペプチド」は、それぞれ、C35、HER2、EGFRおよびIGFRに対する抗体、またはC35、HER2、EGFRおよびIGFRポリペプチド抗体を含む。] [0064] 以下でより詳細に述べられるように、用語「免疫グロブリン」は、生化学的に区別され得る様々な広範なクラスのポリペプチドを含む。当業者は、重鎖が、ガンマ、ミュー、アルファ、デルタまたはイプシロン(γ、μ、α、δ、ε)(その中にいくつかのサブクラスを有する(例えば、γ1〜γ4))に分類されることを認識するだろう。この鎖の性質こそが、それぞれIgG、IgM、IgA、IgGまたはIgEとしての抗体の「クラス」を決定する。免疫グロブリンのサブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1などは、十分に特徴付けられており、機能的な特殊化を付与すると知られている。これらのクラスおよびアイソタイプの各々の改変バージョンは、本開示を考慮して当業者にとって容易に識別可能であり、したがって、それらは、本発明の範囲内である。すべての免疫グロブリンクラスが、明らかに本発明の範囲内であり、以下の記述は、概して、免疫グロブリン分子のIgGクラスに関するものである。IgGに関して、標準的な免疫グロブリン分子は、分子量約23,000ダルトンの2つの同一の軽鎖ポリペプチド、および分子量53,000〜70,000の2つの同一の重鎖ポリペプチドを含む。これらの4つの鎖は、代表的には、ジスルフィド結合によって「Y」の配置で結合されており、ここで、軽鎖は、「Y」の開口部分から開始して重鎖とひとまとめにされ、可変領域にわたって伸びる。] [0065] 軽鎖は、カッパーまたはラムダ(κ、λ)に分類される。各重鎖クラスは、カッパーまたはラムダ軽鎖のいずれかと結合し得る。通常、軽鎖および重鎖は、互いに共有結合し、そして免疫グロブリンが、ハイブリドーマ、B細胞または遺伝的に操作された宿主細胞によって産生されるとき、その2つの重鎖の「テイル」部分は、共有結合性のジスルフィド結合または非共有結合によって互いに結合される。重鎖において、アミノ酸配列は、Y配置のふたまたに分かれた端におけるN末端から各鎖の下のC末端へと伸びている。] [0066] 軽鎖と重鎖の両方ともが、構造的および機能的に相同の領域に分けられる。用語「定常」および「可変」は、機能的に使用される。この点について、軽鎖(VL)部分と重鎖(VH)部分の両方の可変ドメインが、抗原認識および特異性を決定していることが認識されるだろう。逆に、軽鎖(CL)および重鎖(CH1、CH2またはCH3)の定常ドメインは、重要な生物学的特性(例えば、分泌、経胎盤性の移動性、Fcレセプター結合、補体結合など)を付与する。慣例により、定常領域ドメインのナンバリングは、抗原結合部位または抗体のアミノ末端からより遠位になるにつれて大きくなる。N末端部分は、可変領域であり、C末端部分は、定常領域である;CH3およびCLドメインは、実際にそれぞれ重鎖および軽鎖のカルボキシ末端を含む。] [0067] 上に示したように、可変領域は、抗体が抗原上のエピトープを選択的に認識することおよびそれに特異的に結合することを可能にする。すなわち、抗体のVLドメインおよびVHドメイン、または相補性決定領域(CDR)のサブセットを組み合わせることにより、3次元の抗原結合部位を定義する可変領域が形成される。この4次抗体構造は、Yの各アームの末端に存在する抗原結合部位を形成する。より詳細には、抗原結合部位は、VHおよびVL鎖の各々における3つのCDRによって定義される。いくつかの場合において、例えば、ラクダ(camelid)種に由来するか、またはラクダ免疫グロブリンに基づいて操作されたある特定の免疫グロブリン分子の完全な免疫グロブリン分子は、軽鎖なしで重鎖のみからなり得る。例えば、Hamers−Castermanら、Nature 363:446−448(1993)を参照のこと。] [0068] 天然に存在する抗体において、各抗原結合ドメインに存在する6つの「相補性決定領域」または「CDR」は、その抗体が水性環境におけるその3次元配置を想定するとき、抗原結合ドメインを形成するように特に位置づけられたアミノ酸の短い不連続の配列である。「フレームワーク」領域と称される、抗原結合ドメイン内の残りのアミノ酸は、より低い分子間の可変性を示す。そのフレームワーク領域は、たいてい、β−シートのコンフォメーションをとり、CDRは、そのβ−シート構造を接続し、いくつかの場合ではそのβ−シート構造の一部を形成する、ループを形成する。したがって、フレームワーク領域は、鎖間の非共有結合性の相互作用によって正確な配向でCDRの位置を決めるスキャフォールドを形成するように作用する。位置づけられたCDRによって形成される抗原結合ドメインは、免疫反応性の抗原上のエピトープに対する表面の相補性を定義する。この相補的な表面は、その同族のエピトープへの抗体の非共有結合を促進する。それぞれCDRおよびフレームワーク領域を含むアミノ酸は、正確に定義されるので、当業者によって所与の任意の重鎖または軽鎖の可変領域について容易に同定され得る(“Sequences of Proteins of Immunological Interest”,Kabat,E.ら、U.S.Department of Health and Human Services,(1983);およびChothia and Lesk,J.Mol.Biol.,196:901−917(1987)(これらは、本明細書中でそれらの全体が参考として援用される)を参照のこと)。] [0069] 本発明の方法において使用するための抗体、またはその抗原結合フラグメント、バリアントもしくは誘導体としては、ポリクローナル、モノクローナル、多重特異性、ヒト、ヒト化、霊長類化またはキメラ抗体、一本鎖抗体、エピトープ結合フラグメント、例えば、Fab、Fab’およびF(ab’)2、Fd、Fv、一本鎖Fv(scFv)、一本鎖抗体、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、VLまたはVHドメインのいずれかを含むフラグメント、Fab発現ライブラリーによって生成されるフラグメント、ならびに抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、本明細書中に開示されるC35抗体に対する抗Id抗体を含む;例えば、Hudson,P.J.and Couriau,C.,Nature Med.9:129−134(2003);米国公開番号20030148409;米国特許第5,837,242号も参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、ScFv分子は、当該分野で公知であり、例えば、米国特許第5,892,019号に記載されている。本発明の免疫グロブリンまたは抗体分子は、任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)またはサブクラスの免疫グロブリン分子であり得る。] [0070] 一本鎖抗体を含む抗体フラグメントは、可変領域を、単独で、または以下のものの全体または一部とともに、含み得る:ヒンジ領域、CH1、CH2およびCH3ドメイン。ヒンジ領域、CH1、CH2およびCH3ドメインと可変領域との任意の組み合わせも含む抗原結合フラグメントもまた、本発明に含められる。本明細書中に開示される診断的および治療的な方法において使用するための抗体またはその免疫特異的フラグメントは、鳥類および哺乳動物を含む任意の動物起源に由来し得る。好ましくは、その抗体は、ヒト、マウス、ロバ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ラマ、ウマまたはニワトリの抗体である。別の実施形態において、可変領域は、軟骨魚類(condricthoid)が起源(例えば、サメ由来)であり得る。本明細書中で使用されるとき、「ヒト」抗体は、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有する抗体を含み、そしてヒト免疫グロブリンライブラリーから、または下におよび例えばKucherlapatiらによる米国特許第5,939,598号に記載されているように内因性の免疫グロブリンを発現しない1つ以上のヒト免疫グロブリンについてトランスジェニックである動物から単離された抗体を含む。] [0071] 本明細書中で使用されるとき、用語「重鎖部分」は、免疫グロブリン重鎖に由来するアミノ酸配列を含む。重鎖部分を含むポリペプチドは、CH1ドメイン、ヒンジ(例えば、上部、中央部および/または下部のヒンジ領域)ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメインまたはそれらのバリアントもしくはフラグメントのうちの少なくとも1つを含む。例えば、本発明において使用するための結合ポリペプチドは、CH1ドメインを含むポリペプチド鎖;CH1ドメイン、ヒンジドメインの少なくとも一部およびCH2ドメインを含むポリペプチド鎖;CH1ドメインおよびCH3ドメインを含むポリペプチド鎖;CH1ドメイン、ヒンジドメインの少なくとも一部およびCH3ドメインを含むポリペプチド鎖、またはCH1ドメイン、ヒンジドメインの少なくとも一部、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含むポリペプチド鎖を含み得る。別の実施形態において、本発明のポリペプチドは、CH3ドメインを含むポリペプチド鎖を含む。さらに、本発明において使用するための結合ポリペプチドは、CH2ドメインの少なくとも一部(例えば、CH2ドメインの全部または一部)を欠き得る。上で示したように、これらのドメイン(例えば、重鎖部分)が、天然に存在する免疫グロブリン分子由来のアミノ酸配列と異なるように改変され得ることを当業者は理解するだろう。] [0072] 本明細書中に開示されるある特定のC35、HER2および/もしくはEGFRまたはIGFR抗体、あるいはそれらの抗原結合フラグメント、バリアントもしくは誘導体において、多量体の1つのポリペプチド鎖の重鎖部分は、その多量体の第2のポリペプチド鎖上の重鎖部分と同一である。あるいは、本発明の重鎖部分含有モノマーは、同一ではない。例えば、各モノマーは、例えば、二重特異性抗体を形成する異なる標的結合部位を含み得る。] [0073] 本明細書中に開示される診断方法および処置方法において使用するための結合ポリペプチドの重鎖部分は、異なる免疫グロブリン分子に由来し得る。例えば、ポリペプチドの重鎖部分は、IgG1分子に由来するCH1ドメインおよびIgG3分子に由来するヒンジ領域を含み得る。別の例では、重鎖部分は、部分的にIgG1分子に由来し、そして部分的にIgG3分子に由来する、ヒンジ領域を含み得る。別の例では、重鎖部分は、部分的にIgG1分子に由来し、そして部分的にIgG4分子に由来する、キメラヒンジを含み得る。] [0074] 本明細書中で使用されるとき、用語「軽鎖部分」は、免疫グロブリン軽鎖に由来するアミノ酸配列を含む。好ましくは、軽鎖部分は、VLまたはCLドメインのうちの少なくとも1つを含む。] [0075] 本明細書中に開示される抗C35、抗HER2、抗EGFRもしくは抗IGFR抗体、またはそれらの抗原結合フラグメント、バリアントもしくは誘導体は、それらが認識するかまたは特異的に結合する抗原のエピトープまたは一部に関して記載され得るか、または特定され得る。抗体の抗原結合ドメインと特異的に相互作用する標的ポリペプチドの一部は、「エピトープ」または「抗原決定基」である。標的ポリペプチドは、単一のエピトープを含み得るが、代表的には、少なくとも2つのエピトープを含み、抗原のサイズ、コンフォメーションおよびタイプに応じて任意の数のエピトープを含み得る。さらに、標的ポリペプチド上の「エピトープ」は、非ポリペプチドエレメントであり得るか、または非ポリペプチドエレメントを含み得ること、例えば、「エピトープ」は、炭水化物側鎖を含み得ることに注意されるべきである。] [0076] 抗体についてのペプチドエピトープまたはポリペプチドエピトープの最小サイズは、約4〜5アミノ酸であると考えられる。ペプチドエピトープまたはポリペプチドエピトープは、好ましくは、少なくとも7、より好ましくは、少なくとも9、最も好ましくは、少なくとも約15〜約30個のアミノ酸を含む。CDRは、抗原ペプチドまたは抗原ポリペプチドを3次の形態で認識し得るので、エピトープを含むアミノ酸は、連続している必要はなく、いくつかの場合では、同じペプチド鎖上でなくてもよい。本発明において、本発明の抗体によって認識されるペプチドエピトープまたはポリペプチドエピトープは、C35、HER2、EGFRまたはIGFRの少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、より好ましくは、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、または約15〜約30個の、連続したまたは不連続のアミノ酸の配列を含む。] [0077] 「特異的に結合する」とは、抗体が抗原結合ドメインを介してエピトープに結合すること、およびその結合が、抗原結合ドメインとエピトープとの間のいくらかの相補性を必要とすることを一般に意味する。この定義によると、抗体は、ランダムな無関係のエピトープに結合し得るよりも容易に、その抗原結合ドメインを介してエピトープに結合するとき、そのエピトープに「特異的に結合する」と言われる。用語「特異性」は、ある特定の抗体がある特定のエピトープに結合する相対的な親和性を適格とするために本明細書中で使用される。例えば、抗体「A」は、所与のエピトープについて抗体「B」よりも高い特異性を有すると考えられ得るか、または抗体「A」は、関連するエピトープ「D」に対して有する特異性よりも高い特異性でエピトープ「C」に結合すると言われ得る。] [0078] 「優先的に結合する」とは、抗体が、関連の、同様の、相同の、または類似のエピトープに結合し得るよりも容易にエピトープに特異的に結合することを意味する。したがって、所与のエピトープに「優先的に結合する」抗体は、そのような抗体が、関連するエピトープと交差反応し得るにしても、その関連のエピトープに結合するよりも、その所与のエピトープに結合する可能性が高い。] [0079] 非限定的な例として、抗体が、第2のエピトープに対する抗体の解離定数(KD)未満のKDで第1のエピトープに結合する場合、その抗体は、前記第1のエピトープに優先的に結合すると考えられ得る。別の非限定的な例では、抗体が、第2のエピトープに対するその抗体のKDより少なくとも1桁小さい親和性で第1のエピトープに結合する場合、その抗体は、その第1の抗原に優先的に結合すると考えられ得る。別の非限定的な例では、抗体が、第2のエピトープに対するその抗体のKDより少なくとも2桁小さい親和性で第1のエピトープに結合する場合、その抗体は、その第1のエピトープに優先的に結合すると考えられ得る。] [0080] 別の非限定的な例では、抗体が、第2のエピトープに対するその抗体の解離速度(off rate)(k(off))より小さいk(off)で第1のエピトープに結合する場合、その抗体は、第1のエピトープに優先的に結合すると考えられ得る。別の非限定的な例では、抗体が、第2のエピトープに対するその抗体のk(off)より少なくとも1桁小さい親和性で第1のエピトープに結合する場合、その抗体は、その第1のエピトープに優先的に結合すると考えられ得る。別の非限定的な例では、抗体が、第2のエピトープに対するその抗体のk(off)より少なくとも2桁小さい親和性で第1のエピトープに結合する場合、その抗体は、その第1のエピトープに優先的に結合すると考えられ得る。] [0081] 本明細書中に開示される抗体、または抗原結合フラグメント、バリアントもしくは誘導体は、5×10−2秒−1、10−2秒−1、5×10−3秒−1または10−3秒−1以下の解離速度(k(off))で、本明細書中に開示される標的ポリペプチドまたはそのフラグメントもしくはバリアントに結合すると言われ得る。より好ましくは、本発明の抗体は、5×10−4秒−1、10−4秒−1、5×10−5秒−1または10−5秒−1、5×10−6秒−1、10−6秒−1、5×10−7秒−1または10−7秒−1以下の解離速度(k(off))で、本明細書中に開示される標的ポリペプチドまたはそのフラグメントもしくはバリアントに結合すると言われ得る。] [0082] 本明細書中に開示される抗体、または抗原結合フラグメント、バリアントもしくは誘導体は、103M−1秒−1、5×103M−1秒−1、104M−1秒−1または5×104M−1秒−1以上の会合速度(on rate)(k(on))で、本明細書中に開示される標的ポリペプチド、またはそのフラグメントもしくはバリアントに結合すると言われ得る。より好ましくは、本発明の抗体は、105M−1秒−1、5×105M−1秒−1、106M−1秒−1もしくは5×106M−1秒−1または107M−1秒−1以上の会合速度(k(on))で、本明細書中に開示される標的ポリペプチド、またはそのフラグメントもしくはバリアントに結合すると言われ得る。] [0083] 本発明の抗体は、所与のエピトープに対する参照抗体の結合をある程度阻止する程度にそのエピトープに優先的に結合する場合、そのエピトープに対する参照抗体の結合を競合的に阻害すると言われる。競合的阻害は、当該分野で公知の任意の方法、例えば、競合的ELISAアッセイによって測定され得る。抗体は、所与のエピトープに対する参照抗体の結合を、少なくとも90%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%または少なくとも50%競合的に阻害すると言われ得る。] [0084] 本明細書中で使用されるとき、用語「親和性」とは、免疫グロブリン分子のCDRと個別のエピトープとの結合の強さの尺度のことを指す。例えば、Harlowら、Antibodies:A Laboratory Manual,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2nd ed.1988)27〜28頁を参照のこと。本明細書中で使用されるとき、用語「アビディティ」とは、免疫グロブリンの集団と抗原との複合体の全体的な安定性、すなわち、その抗原と免疫グロブリン混合物との機能的な結合の強さのことを指す。例えば、Harlow 29〜34頁を参照のこと。アビディティは、特定のエピトープを含む集団内の個別の免疫グロブリン分子の親和性と、免疫グロブリンと抗原との結合価との両方に関係する。例えば、二価のモノクローナル抗体と、ポリマーなどの高度に反復されたエピトープ構造を有する抗原との間の相互作用は、高アビディティの1つであり得る。] [0085] 本発明において使用するための抗体は、「多重特異性」、例えば、二重特異性、三重特異性であり得るか、またはそれより高い多重特異性であり得、それは、1つ以上の異なる抗原(例えば、タンパク質)上に存在する2つ以上の異なるエピトープを同時に認識し、それらに結合することを意味する。したがって、抗体が「単一特異性」であるか、または「多重特異性」、例えば、「二重特異性」であるかは、結合ポリペプチドが反応する異なるエピトープの数のことを指す。多重特異性抗体は、本明細書中に記載される標的ポリペプチドの異なるエピトープに対して特異的であり得るか、または標的ポリペプチドならびに異種性のエピトープ(例えば、異種性ポリペプチドまたは固体支持体材料)に対して特異的であり得る。] [0086] 本明細書中で使用されるとき、用語「価」とは、潜在的な結合ドメイン、例えば、本発明の抗体、結合ポリペプチドまたは抗体に存在する抗原結合ドメインの数のことを指す。各結合ドメインは、1つのエピトープに特異的に結合する。結合ポリペプチドまたは抗体が、1つより多い結合ドメインを含むとき、各結合ドメインは、2つの結合ドメインを有する抗体について同じエピトープに特異的に結合し得る(「二価単一特異性」と呼ばれる)か、または2つの結合ドメインを有する抗体について異なるエピトープに特異的に結合し得る(「二価二重特異性」と呼ばれる)。抗体は、二重特異性であり得、かつ各特異性に対して二価でもあり得る(「二重特異性四価抗体」と呼ばれる)。別の実施形態において、四価ミニボディ(minibodies)またはドメイン欠失抗体が、作製され得る。] [0087] 二重特異性二価抗体およびそれを作製する方法は、例えば、米国特許第5,731,168号;同第5,807,706号;同第5,821,333号;ならびに米国出願公開番号2003/020734および2002/0155537(これらの開示のすべてが、本明細書中でそれらの全体が参考として援用される)に記載されている。二重特異性四価抗体およびそれを作製する方法は、例えば、WO02/096948およびWO00/44788(両方ともの開示が、本明細書中で参考として援用される)に記載されている。一般に、PCT公開WO93/17715;WO92/08802;WO91/00360;WO92/05793;Tuttら、J.Immunol.147:60−69(1991);米国特許第4,474,893号;同第4,714,681号;同第4,925,648号;同第5,573,920号;同第5,601,819号;Kostelnyら、J.Immunol.148:1547−1553(1992)を参照のこと。] [0088] 前に示したように、様々な免疫グロブリンクラスの定常領域のサブユニット構造および3次元配置が、周知である。本明細書中で使用されるとき、用語「VHドメイン」は、免疫グロブリン重鎖のアミノ末端可変ドメインを含み、用語「CH1ドメイン」は、免疫グロブリン重鎖の第1(最もアミノ末端側)定常領域ドメインを含む。CH1ドメインは、VHドメインに隣接しており、免疫グロブリン重鎖分子のヒンジ領域に対してアミノ末端側である。] [0089] 本明細書中で使用されるとき、用語「CH2ドメイン」は、例えば、従来のナンバリングスキームを用いるとき、抗体の約残基244〜残基360(残基244〜360、Kabatナンバリングシステム;および残基231〜340、EUナンバリングシステム;Kabat EAら、前掲書を参照のこと)に及ぶ重鎖分子の部分を含む。CH2ドメインは、別のドメインと密接に対形成しないという点で独特である。むしろ、2つのN結合型分枝炭水化物鎖が、インタクトな天然のIgG分子の2つのCH2ドメイン間に挿入されている。また、CH3ドメインが、CH2ドメインからIgG分子のC末端側に及ぶことおよび約108残基を含むことが、十分に立証されている。] [0090] 本明細書中で使用されるとき、用語「ヒンジ領域」は、CH1ドメインとCH2ドメインとを繋ぐ重鎖分子の部分を含む。このヒンジ領域は、約25残基を含み、そして可撓性であるがゆえに2つのN末端の抗原結合領域が独立して動くことを可能にする。ヒンジ領域は、3つの異なるドメイン:上部、中央部および下部ヒンジドメインに細分され得る(Rouxら、J.Immunol.161:4083(1998))。] [0091] 本明細書中で使用されるとき、用語「ジスルフィド結合」は、2つの硫黄原子間に形成される共有結合を含む。アミノ酸のシステインは、ジスルフィド結合を形成し得るか、または第2のチオール基と架橋し得る、チオール基を含む。ほとんどの天然に存在するIgG分子では、CH1およびCL領域は、ジスルフィド結合によって連結され、そして2つの重鎖は、Kabatナンバリングシステムを用いるとき239および242に対応する位置(EUナンバリングシステムでは226または229位)において2つのジスルフィド結合によって連結される。] [0092] 本明細書中で使用されるとき、用語「キメラ抗体」は、免疫反応性の領域または部位が、第1の種から得られているかまたは第1の種に由来し、定常領域(本発明に従って、インタクトであってもよいし、部分的であってもよいし、改変されていてもよい)が、第2の種から得られている、任意の抗体のことを意味するように保持される。好ましい実施形態において、標的結合領域または標的結合部位は、非ヒト起源(例えば、マウスまたは霊長類)由来であり、かつ定常領域は、ヒトである。] [0093] 本明細書中で使用されるとき、用語「操作された抗体」とは、重鎖および軽鎖のいずれかまたはその両方における可変ドメインが、既知の特異性の抗体由来の1つ以上のCDRの少なくとも部分的な置換、ならびに必要であれば、部分的なフレームワーク領域の置換および配列変更によって変更されている、抗体のことを指す。そのCDRは、フレームワーク領域が由来する抗体と同じクラスまたはサブクラスの抗体に由来し得るが、それらのCDRは、異なるクラスの抗体、好ましくは、異なる種由来の抗体に由来し得ることが認識される。既知の特異性の非ヒト抗体由来の1つ以上の「ドナー」CDRがヒト重鎖または軽鎖フレームワーク領域に移植されている操作された抗体は、本明細書中で「ヒト化抗体」と称される。1つの可変ドメインの抗原結合能を別の可変ドメインに移すために、ドナー可変領域由来の完全なCDRですべてのCDRを置き換えることは、必要ないことがある。むしろ、標的結合部位の活性を維持するのに必要な残基を移すことだけが必要であり得る。その説明が、例えば、米国特許第5,585,089号、同第5,693,761号、同第5,693,762号および同第6,180,370号に示されていることを所与として、通例の実験を行うか、または試行錯誤による試験によって、機能的な操作された抗体またはヒト化抗体を得ることは、十分に当業者の能力の範囲内である。] [0094] 本明細書中で使用されるとき、用語「適切に折り畳まれたポリペプチド」は、そのポリペプチドを含む機能ドメインのすべてが明確に活性であるポリペプチド(例えば、C35抗体)を含む。本明細書中で使用されるとき、用語「不適切に折り畳まれたポリペプチド」は、そのポリペプチドの機能ドメインの少なくとも1つが活性でないポリペプチドを含む。1つの実施形態において、適切に折り畳まれたポリペプチドは、少なくとも1つのジスルフィド結合によって連結されたポリペプチド鎖を含み、逆に、不適切に折り畳まれたポリペプチドは、少なくとも1つのジスルフィド結合によって連結されていないポリペプチド鎖を含む。] [0095] 本明細書中で使用されるとき、用語「操作された」は、合成手段(例えば、組換え手法、インビトロペプチド合成、ペプチドの酵素的もしくは化学的な結合、またはこれらの手法のいくつかの組み合わせ)による核酸分子またはポリペプチド分子の操作を含む。] [0096] 本明細書中で使用されるとき、用語「連結された」、「融合された」または「融合」は、交換可能に使用される。これらの用語は、化学的結合体化を含む手段または組換え手段のすべてによって2つ以上のエレメントまたは構成要素を繋げることを指す。「インフレーム融合」とは、2つ以上のポリヌクレオチドのオープンリーディングフレーム(ORF)を、もとのORFの正確な翻訳の読み枠を維持する様式で、繋げることにより、連続したより長いORFを形成することを指す。したがって、組換え融合タンパク質は、もとのORFによってコードされるポリペプチドに対応する2つ以上のセグメントを含む単一のタンパク質である(そのセグメントは、通常、天然ではそのように連結されない)。このように、その読み枠は、融合されたセグメント全体にわたって連続するように作製されるが、それらのセグメントは、例えば、インフレームのリンカー配列によって物理的または空間的に分離され得る。例えば、免疫グロブリン可変領域のCDRをコードするポリヌクレオチドは、インフレームで融合され得るが、その「融合された」CDRが、連続したポリペプチドの一部として同時に翻訳される限り、少なくとも1つの免疫グロブリンフレームワーク領域またはさらなるCDR領域をコードするポリヌクレオチドによって分断されていてもよい。] [0097] ポリペプチドの文脈において、「直鎖状配列」または「配列」は、アミノ末端からカルボキシル末端への方向でのポリペプチドにおけるアミノ酸の順序であり、ここで、その配列において互いに隣り合う残基は、そのポリペプチドの1次構造において連続している。] [0098] 用語「発現」とは、本明細書中で使用されるとき、遺伝子が、生化学的物質、例えば、ポリペプチドを生成するプロセスのことを指す。そのプロセスは、細胞内での遺伝子の機能的存在の任意の顕在化(遺伝子ノックダウンならびに一過性発現および安定的発現の両方を含むがこれらに限定されない)を含む。それらとしては、遺伝子からメッセンジャーRNA(mRNA)への転写およびそのようなmRNAからポリペプチドへの翻訳が挙げられるが、これらに限定されない。最終的な所望の生成物が、生化学的物質である場合、発現は、その生化学的物質および任意の前駆体の生成を含む。遺伝子の発現は、「遺伝子産物」を生成する。本明細書中で使用されるとき、遺伝子産物は、核酸、例えば、遺伝子の転写によって生成されるメッセンジャーRNA、または転写物から翻訳されたポリペプチドのいずれかであり得る。本明細書中に記載される遺伝子産物は、転写後修飾、例えば、ポリアデニル化を受けた核酸、または翻訳後修飾、例えば、メチル化、グリコシル化、脂質の付加、他のタンパク質サブユニットとの会合、タンパク分解性切断などを受けたポリペプチドをさらに含む。] [0099] 本明細書中で使用されるとき、用語「処置する」または「処置」とは、治療的な処置と、予防的または防止的な措置の両方のことを指し、ここで、その目的は、望まれない生理学的な変化もしくは障害(例えば、多発性硬化症の進行)を予防すること、または減速すること(低減すること)である。有益なまたは所望の臨床上の結果としては、検出可能であるか検出不可能であるかに関係なく、症状の軽減、疾患の程度の低下、疾患の状態の安定化(すなわち、悪化させないこと)、疾患の進行の遅延または減速、疾患の状態の回復または寛解、および緩解(部分的であるか全体的であるかは関係ない)が挙げられるが、これらに限定されない。「処置」は、処置を受けない場合に予想される生存時間と比べたときの生存時間の延長も意味し得る。処置の必要な者には、すでに状態もしくは障害を有している者、ならびにその状態もしくは障害を有する傾向がある者またはその状態もしくは障害が予防されるべき者が含まれる。] [0100] 「被験体」または「個体」または「動物」または「患者」または「哺乳動物」とは、診断、予後診断または治療が望まれる任意の被験体、特に、哺乳動物の被験体を意味する。哺乳動物の被験体としては、ヒト、家畜、農業動物、および動物園動物、競技用動物または愛玩動物(例えば、イヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、マウス、ウマ、畜牛、乳牛など)が挙げられる。] [0101] 本明細書中で使用されるとき、「C35、HER2および/またはEGFR抗体の投与の恩恵を受け得る被験体」および「処置の必要のある動物」などの句は、C35、HER2および/またはEGFR抗体の投与の恩恵を受け得る被験体(例えば、哺乳動物の被験体)を含む。本明細書中でより詳細に記載されるように、本発明の抗体は、非結合体化型で使用され得るか、または例えば、薬物、プロドラッグもしくは同位体に結合体化され得る。] [0102] II.C35、HER2、EGFRおよびIGFR標的ポリペプチド C35は、乳癌および他のある特定の腫瘍タイプ(メラノーマ、結腸癌、卵巣癌、肝細胞癌、膀胱癌および膵癌を含む)において差次的に発現される抗原である。C35タンパク質は、プレニル化されること、内側の細胞膜と会合することが示されているが、生存している腫瘍細胞の表面膜上で検出可能ではない。C35エピトープを免疫特異的に認識する、マウスモノクローナル抗体、ヒト化抗体およびヒト抗体を含むいくつかの抗体が存在する。米国出願公開番号2005/0158323および米国特許出願番号11/812,996(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。本発明者らは、化学療法剤または照射のいずれかを用いた処置によって腫瘍細胞においてアポトーシスを誘導することにより、C35が表面膜に露出し、それにより、インタクトな腫瘍細胞をC35特異的抗体が認識できるようになることも証明した。] [0103] 最近の癌研究は、細胞がHER2またはEGFRを過剰発現している癌を処置するために組換えヒト化モノクローナル抗体を使用することに焦点を合わせている。HER2の配列は、当該分野で公知であり、Genbankアクセッション番号NP_001005862、NP004439、AAA75493またはAAA35978が挙げられるが、これらに限定されない。EGFRに対する配列も当該分野で公知であり、Genbankアクセッション番号AAB19486、AAH94761、AAI28420およびAAI18666が挙げられるが、これらに限定されない。最後に、代表的なヒトIGFR前駆体のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列としては、Genbankアクセッション番号X04434またはNM_000875、および米国特許第7,217,796号に列挙されているものが挙げられるがこれらに限定されない。その前駆体の切断(例えば、アミノ酸710と711との間の切断)により、α−サブユニットおよびβ−サブユニットが生成され、それらが会合することにより、成熟IGFRが形成される。] [0104] HER2遺伝子は、EGFRをコードする遺伝子と密接に関係するが、それとは異なるものである。HER2遺伝子の増幅は、ヒト乳癌細胞における新生物の形質転換に関係している。HER2の過剰発現は、乳癌患者の20〜30%以内で同定されているが、それは、領域的に進行型の疾患、腫瘍再発の高い確率および患者の低い生存と相関する。胃癌、子宮内膜癌、唾液腺癌、非小細胞肺癌、膵癌、卵巣癌、腹膜癌、前立腺癌または結腸直腸癌を有する患者の30〜40%も、このタンパク質の過剰発現を示し得る。少量のHER2タンパク質が、組織特異的様式で正常な細胞の原形質膜上に発現される。このタンパク質は、成長因子リガンドに結合する他のERBBレセプターとのヘテロ二量体レセプター複合体の一部として存在する。このリガンドの結合によって、HER2レセプターが活性化され、それにより、細胞の外側から核に成長シグナルが伝達される。これらの成長シグナルは、正常な細胞の成長および分裂の局面を制御する。正常細胞におけるHER2遺伝子の変化は、HER2タンパク質の過剰発現をもたらし、その結果、細胞分裂の増加、細胞増殖の速度の上昇が生じ、また、HER2遺伝子の変化は、その癌細胞の表現型への形質転換と関連し得る。HER2遺伝子におけるそのような変化が、腫瘍細胞において生じるとき、HER2タンパク質は、直接過剰発現されるか、または遺伝子増幅が、多コピーの遺伝子およびその後のHER2タンパク質の過剰発現をもたらす。これらの変化を引き起こす因子は、現在のところ不明である。] [0105] EGFRの過剰発現は、不良な生存時間、ならびに結腸癌(Resnick,M.B.ら、Clin Cancer Res.10:3069−3075(2004))、直腸癌(Kopp,R.ら、Dis Colon Rectum 46:1391−1399(2003))、非小細胞肺癌(Selvaggi,G.ら、Ann Oncol.15:28−32(2004))および乳癌(Witton,C.J.ら、J Pathol.200:290−297(2003);Tsutsui,S.ら、Clin Cancer Res.8:3454−3460(2002))の再発とも関連することが証明されている。EGFR発現の状態が、化学療法および放射線療法の誘導後に不良な結果を有し得る進行型の鼻咽頭癌の患者のサブグループを同定し得ることも提案されている(Chua,D.T.ら、Int J Radiat Oncol Biol Phys.59:11−20(2004))。EGFRの発現が、前立腺癌における疾患の再発およびアンドロゲン非依存性への進行と相関する証拠が存在する(Di Lorenzo,G.ら、Clin Cancer Res.8:3438−3444(2002))。したがって、実地臨床におけるEGFRの検出は、EGFR標的化薬物の使用の関連性に関する疑問を含む患者の管理に影響を及ぼし得る。] [0106] IGFRの過剰発現も、いくつかの癌細胞株および腫瘍組織において証明されている。IGFRは、すべての乳癌細胞株の40%(Pandiniら、Cancer Res.5:1935(1999))および肺癌細胞株の15%において過剰発現される。乳癌腫瘍組織において、IGFRは、6〜14倍過剰発現され、IGFRは、正常組織と比べて2〜4倍高いキナーゼ活性を示す(Websterら、Cancer Res.56:2781(1996);Pekonenら、Cancer Res.48:1343(1998))。結腸直腸癌組織の生検材料の90パーセントが、高IGFRレベルを示し、ここで、IGFR発現の程度は、その疾患の重症度と相関する。初代子宮頸癌細胞培養物および子宮頸癌細胞株の解析によって、正常な子宮膣部細胞と比べてそれぞれ3および5倍のIGFRの過剰発現が明らかになった(Stellerら、Cancer Res.56:1762(1996))。滑膜肉腫細胞におけるIGFRの発現も、高悪性度の表現型(すなわち、転移および速い増殖速度;Xieら、Cancer Res.59:3588(1999))と相関した。] [0107] HER2、EGFRまたはIGFRレセプタータンパク質の「過剰発現」は、特定の組織または臓器由来の正常細胞における発現のレベルに対して、患者のその組織または臓器内の腫瘍由来の細胞における、それぞれHER2、EGFRまたはIGFRタンパク質の異常なレベルの発現と意図される。HER2、EGFRまたはIGFRレセプターの過剰発現を特徴とする癌を有する患者は、当該分野で公知の標準的なアッセイによって判定され得る。過剰発現は、凍結組織切片またはパラフィン包埋された組織切片の固定された細胞において、免疫組織化学的(IHC)検出を用いて判定され得る。組織学的な染色と併用されるとき、標的化されるタンパク質の局在性が、判定され得、そして腫瘍内のその発現の程度が、定性的かつ半定量的に測定され得る。そのようなIHC検出アッセイは、当該分野で公知であり、それらとしては、臨床試験アッセイ(CTA)、市販のLabCorp 4D5テストおよび市販のDAKO HercepTestTM(DAKO,Carpinteria,Calif.)が挙げられる。後者のアッセイは、0〜3+の細胞染色(0は、正常な発現であり、3+は、最も強い陽性発現を示す)の特定の範囲を用いることにより、HER2タンパク質の過剰発現を有する癌が同定される(トラスツズマブの完全な処方情報;1998年9月;Genentech,Inc.,San Francisco,Calif.を参照のこと)。したがって、1+、2+または3+の範囲、特に、2+または3+、より特に3+におけるHER2タンパク質の免疫組織化学(IHC)または蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)による過剰発現を特徴とする癌を有する患者は、本発明の治療の方法の恩恵を受け得る。] [0108] 標準的な検出アッセイを用いるとき、いくつかのタイプの癌が、HER2、EGFRまたはIGFRレセプターを過剰発現する細胞を有すると特徴付けられている。そのような癌としては、乳癌、胃癌、子宮内膜癌、唾液腺癌、鼻咽頭癌、非小細胞肺癌、膵癌、腎癌、卵巣癌、腹膜癌、前立腺癌、膀胱癌、結腸直腸癌およびグリア芽細胞腫が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の方法は、細胞がC35およびHER2、EGFRまたはIGFRタンパク質を過剰発現する任意のそのような癌の処置/管理において有用である。特に興味深いのは、乳癌である。] [0109] III.C35、HER2およびEGFR抗体 本発明は、C35、HER2またはEGFRに対する抗体(本明細書中で、抗C35、抗HER2もしくは抗EGFR抗体;またはC35、HER2もしくはEGFR抗体と称される)およびC35抗体とHER2抗体またはC35抗体とEGFR抗体との組み合わせを用いて癌を処置する方法に関する。抗体に関する上の説明は、本明細書中に記載されるC35、HER2およびEGFR抗体にも適用される。] [0110] 本発明は、C35、HER2もしくはEGFRポリペプチド、またはそれらのフラグメント、バリアントもしくは融合タンパク質に免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントもしくはバリアントを含むか、またはそれらからなる分子を含む)を包含する。C35ポリペプチドとしては、配列番号2のC35ポリペプチドが挙げられるが、これに限定されない。HER2ポリペプチドとしては、Genbankアクセッション番号AAA75493またはAAA35978のHER2ポリペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。EGFRポリペプチドとしては、Genbankアクセッション番号AAB19486、AAH94761、AAI28420およびAAI18666が挙げられるが、これらに限定されない。C35、HER2またはEGFRポリペプチドは、核酸の組換え発現を通じて生成され得る(WO01/74859およびC35のエピトープ含有フラグメントについての米国出願番号2004/0063907を参照のこと)。] [0111] HER2レセプター機能を標的化する最も広く認識されているモノクローナル抗体は、商品名ハーセプチン(Herceptin)(登録商標)(一般に、トラスツズマブ(trastuzamab)、huMAb4D5−8またはrhuMAb HER2としても知られる;米国特許第5,821,337号およびGenentech,Inc.,San Francisco,Calif.から入手可能)として売買されている。この組換えヒト化モノクローナル抗体は、HER2に対して高い親和性を有する。広範な転移性乳癌を有する患者を用いた初期の臨床試験から、このモノクローナル抗体がHER2を過剰発現する乳癌細胞の増殖を阻害する能力が証明されている(Baselgaら(1996)J.Clin.Oncol.14(3):737−744)。そのような1つの治験において、転移性乳癌患者においてトラスツズマブを用いた単剤療法によって、14%の全奏功率が得られた(2%の完全な応答者および12%の部分的な応答者)。応答の持続時間の中央値は、9.1ヶ月であり、生存時間の中央値は、12.8ヶ月(0.5〜24+ヶ月の範囲)だった。その患者の24パーセントは、5.8ヶ月において進行していなかった(Genentech,Inc.,社内資料)。HER2の過剰発現の程度は、処置の効果を予測した。] [0112] 最も広く認識されているHER2抗体は、トラスツズマブであるが、本発明の方法は、この抗体の使用に限定されない。マウスの起源の他のHER2抗体ならびにそれらのヒト化バージョンおよびキメラバージョンもまた、本発明の方法における使用に適している。他のそのようなHER2抗体の例としては、4D5抗体(米国特許第5,677,171号および同第5,772,997号に記載されている);ならびに520C9抗体およびその機能的な等価物(452F2、736G9、741F8、758G5および761B10と命名されているもの(米国特許第6,054,561号に記載されている))が挙げられるが、これらに限定されない;それらは、本明細書中で参考として援用される。さらに、新規HER2抗体が、当該分野で公知の方法または本明細書中に記載される方法を用いて作製され得る。] [0113] 多くの研究が、EGFRの細胞外領域に対する抗体の作製に焦点を合わせている。作製されたmAbは、主に、リガンド結合を阻止することおよびシグナル伝達の妨害によって、それらの抗腫瘍活性を媒介する。EGFRを特異的に認識するいくつかのmAbが、Pengら、1996(Peng Dら、Cancer Res 1996,56:3666−3669)およびMendelsonら、1997.(Mendelsohn J Clin Cancer Res 1997,3:2703−2707)によって初めて開発された。Mab425、528IgG2aおよび225IgG1は、頭頚部扁平上皮癌を有する患者を処置するために使用された(Sturgis E Mら、Otolaryngol.Head Neck Surg 1994,111:633−643)。放射標識を含む実験研究は、mAb425が、グリオーマを含む腫瘍の成長の有効なインヒビターであると示した(Rodeck Uら、J Cell Biochem 1987,35:315−320;Brady L Wら、Int J Radiat Oncol Biol Phys 1991,22:225−230;Faillot Tら、Neurosurgery 1996,39:478−483)。IMC−C225mAbは、EGFRを特異的に認識し、癌(例えば、頭頚部、結腸直腸、膵臓および肺)の処置において大きな可能性を有する。mAb255は、前立腺癌細胞株においてp27K1P1をアップレギュレートし、G1停止を誘導する。セツキシマブ(ERBITUX(登録商標))としても知られるIMC−C225は、ヒトEGFRの細胞外ドメインに特異的に結合する組換えヒト/マウスキメラモノクローナル抗体である。セツキシマブは、EGFRへのリガンド結合を阻止し、レセプター活性化を妨害し、そしてEGFRを発現する腫瘍細胞の成長を阻害する、EGFRアンタゴニストである。セツキシマブは、イリノテカンベースの化学療法に不応性であるか、またはそれを許容できない、上皮成長因子レセプターを発現している転移性の結腸直腸癌を有する患者の処置において、イリノテカンとの併用で、またはイリノテカンなしでの、使用について承認されている。] [0114] mAb R3は、EGFRに対して産生されたものであり、最初は、放射免疫療法において使用するために開発された(Waterfield M Dら、J.Cell Biochem.1982,20:149−161;Ramos−Suzarte Mら、J.Nucl.Med.1999,40:768−775)。キメラ型とヒト化型の両方のR3が、作製されており、アフリカミドリザルにおいて試験されている。ヒト化バージョンのR3は、マウス抗体と同じ結合親和性を保持しており、キメラ抗体よりも2倍低い免疫原性であることが見出された。テクネチウム標識された、マウスおよびヒト化mAbを用いたマウスにおける異種移植の前臨床試験から、マウスよりもヒト化バージョンのほうが診断ツールとして大きな可能性が示された。ラット抗EGFRmAbであるICR62は、リガンド結合について効率的に競合し、マウスにおいてヒト腫瘍異種移植片(扁平上皮癌)を根絶する。第I相臨床試験から、その抗体が、扁平上皮癌を有する患者に安全に投与されたことが報告され、それ以後、頭頚部扁平上皮癌細胞株において成長因子レセプターおよびそれらのリガンドのシグナル伝達経路を調査するために使用されている(O−charoenrat Pら、Clin.Exp.Metastasis 2000,18:155−161;O−charoenrat Pら、Int.J.Cancer 2000,86:307−317;O−charoenrat Pら、Oral Oncol.2002,38:627−640)。] [0115] 本発明は、さらに、1つ以上の癌を処置するために、少なくとも1つのC35抗体および少なくとも1つのHER2抗体を被験体、好ましくは、哺乳動物、最も好ましくは、ヒトに投与する工程を包含する、抗体ベースの処置方法に関する。本発明は、1つ以上の癌を処置するために、少なくとも1つのC35抗体および少なくとも1つのEGFR抗体を被験体、好ましくは、哺乳動物、最も好ましくは、ヒトに投与する工程を包含する、抗体ベースの処置方法にも関する。本発明の治療的化合物としては、本発明の抗体(本明細書中に記載されるような、そのフラグメント、アナログおよび誘導体を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の抗体は、当該分野で公知のように、または本明細書中に記載されるように、薬学的に許容可能な組成物として提供され得る。] [0116] 本発明の抗体としては、ポリクローナル、モノクローナル、多重特異性、ヒト、ヒト化またはキメラ抗体、一本鎖抗体、scFv、ダイアボディ、トリアボディ(triabodies)、テトラボディ(tetrabodies)、ミニボディ、ドメイン欠失抗体、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fab発現ライブラリーによって生成されるフラグメント、抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、本発明の抗体に対する抗Id抗体を含む)、および上記のいずれかのエピトープ結合フラグメントが挙げられるが、これらに限定されない。用語「抗体」とは、本明細書中で使用されるとき、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、抗原に免疫特異的に結合する抗原結合部位を含む分子のことを指す。本発明の免疫グロブリン分子は、任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)またはサブクラスの免疫グロブリン分子であり得る。] [0117] C35ポリペプチドに特異的なハイブリドーマ細胞株1F2.4.1および1B3.6.1が、以前、ハイブリドーマ技術を用いて調製された。抗体は、標準的な方法を用いるプロテインG親和性精製によってハイブリドーマ上清から単離された。2つのハイブリドーマ細胞株1F2および1B3からの抗体は、ELISAおよびウエスタンブロットアッセイにおいて組換えC35タンパク質に特異的に結合する。ハイブリドーマ細胞株1F2からの抗体はまた、ホルマリン固定され、パラフィン包埋されたC35陽性の腫瘍および細胞株を免疫組織化学によって特異的に染色する。これらの抗体の各々は、異なるが、両方ともが、C35タンパク質に対して特異的である。これらの抗体のいずれかを用いて細胞可溶化物からC35タンパク質を免疫沈降し、そして他方の抗体を用いて検出することが可能である。競合的結合ELISAアッセイから、ハイブリドーマ細胞株1F2および1B3によって産生されたモノクローナル抗体が、C35タンパク質の異なるエピトープに結合すると示唆されている。] [0118] 1F2および1B3抗体のVLおよびVH領域をコードするポリヌクレオチドを、本明細書中で参考として援用されるEvansら、米国公開番号US20050158323に記載されているように、TOPOベクターにクローニングした(それらは、表2に列挙されている日付にAmerican Type Culture Collection(「ATCC」)に寄託され、表2に列挙されているATCC寄託番号が与えられた)。ATCCは、10801 University Boulevard,Manassas,VA 20110−2209,USAに存在する。ATCCへの寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約の約定に従って行われた。] [0119] 1F2重鎖配列を有するクローン1F2Gは、2003年11月11日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−5639が与えられた。1F2軽鎖配列を有するクローン1F2Kは、2003年11月11日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−5640が与えられた。1B3重鎖配列を有するクローン1B3Gは、2003年11月11日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−5637が与えられた。1B3軽鎖配列を有するクローン1B3Kは、2003年11月11日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−5638が与えられた。] [0120] マウス可変領域遺伝子および寄託されたクローンのベクターの一部の配列を以下に示す。] [0121] ] [0122] ] [0123] ] [0124] 本発明のC35抗体は、本発明の配列番号2のC35ポリペプチド、ポリペプチドフラグメントもしくはバリアントおよび/またはエピトープに免疫特異的に結合する抗体を含む(特異的な抗体抗原結合をアッセイするための当該分野で周知のイムノアッセイによって測定される)。] [0125] 本明細書中で使用されるとき、用語「単離された」は、目的の化合物(例えば、C35抗体)が天然に存在する環境とは異なる環境に存在する、化合物を記載すると意味される。「単離された」は、目的の化合物について実質的に濃縮された、および/または目的の化合物が部分的または実質的に精製された、サンプル内の化合物を含むと意味される。] [0126] 本明細書中で使用されるとき、用語「実質的に濃縮された」および「実質的に精製された」とは、その天然の環境から取り出されており、かつ、それが天然に関連する他の成分を少なくとも60%、好ましくは、75%、最も好ましくは、90%含まない、化合物のことを指す。本明細書中で使用されるとき、参照抗体と「同じ特異性」を有する抗体は、その抗体が、その参照抗体と同じエピトープに結合することを意味する。抗体が参照抗体と同じエピトープに結合するか否かの判定は、本明細書中の以下に記載されるアッセイを用いて行われ得る。] [0127] 本明細書中で述べられるマウスハイブリドーマ細胞株に由来する抗体(1F2、1B3、MAbc0009、MAb163、MAb165、MAb171)は、同時係属中の米国出願番号11/812,996に記載されている。これらの抗体のVLおよびVH領域をコードするポリヌクレオチドは、2003年11月11日にAmerican Type Culture Collection(「ATCC」)に寄託された。クローン1F2Gは、2003年11月11日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−5639が与えられた。クローン1F2Kは、2003年11月11日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−5640が与えられた。クローン1B3Gは、2003年11月11日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−5637が与えられた。クローン1B3Kは、2003年11月11日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−5638が与えられた。] [0128] 1F2、1B3、MAbc0009、MAb163、MAb165またはMAb171抗体の使用は、例示的な目的のためであり、それらの方法は、これらの抗体に限定されると解釈されるべきでない。任意のC35抗体(同時係属中の米国出願番号11/812,996に列挙されているものを含むがこれらに限定されない)が、本発明の方法において有用である。] [0129] 好ましくは、例証される抗体のアナログは、その例証される抗体とは保存的アミノ酸置換によって異なる。アミノ酸の置換を保存的または非保存的に分類する目的で、アミノ酸は、以下のとおりグループ化され得る:グループI(疎水性側鎖):met、ala、val、leu、ile;グループII(中性親水性側鎖):cys、ser、thr;グループIII(酸性側鎖):asp、glu;グループIV(塩基性側鎖):asn、gln、his、lys、arg;グループV(鎖配向に影響を及ぼす残基):gly、pro;およびグループVI(芳香族側鎖):trp、tyr、phe。保存的置換は、同じクラス内のアミノ酸間の置換を含む。非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーを別のクラスのメンバーと交換するという性質のものである。] [0130] 最も好ましくは、本抗体は、本発明のヒト、キメラ(例えば、ヒトマウスキメラ)もしくはヒト化抗体または抗原結合抗体フラグメント(Fab、Fab’およびF(ab’)2、Fd、一本鎖Fv(scFv)、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ミニボディ、一本鎖抗体、ジスルフィド結合Fv(sdFv)およびイントラボディ(intrabodies)、ならびにVLまたはVH領域のいずれかを含むフラグメントを含むがこれらに限定されない)である。一本鎖抗体を含む抗原結合抗体フラグメントは、可変領域を、単独で、または以下の全体または一部との組み合わせで、含み得る:ヒンジ領域、CHI、CH2およびCH3ドメイン。可変領域と、ヒンジ領域、CH1、CH2およびCH3ドメインとの任意の組み合わせも含む抗原結合フラグメントもまた、本発明に含まれる。本発明の治療的な方法において好ましい抗体は、CH2ドメインの欠失を含む抗体である。] [0131] 本発明の方法とともに使用するための抗体は、それらが認識するかまたは特異的に結合する本発明のポリペプチドのエピトープまたは一部に関して記載され得るか、または明記され得る。それらのエピトープまたはポリペプチドの一部は、本明細書中に記載されるように、例えば、N末端およびC末端の位置、または連続したアミノ酸残基のサイズによって、明記され得る。本発明の任意のエピトープまたはポリペプチドに特異的に結合する抗体もまた排除され得る。ゆえに、本発明は、本発明のポリペプチドに特異的に結合し、その排除を可能にする、抗体を含む。] [0132] 本発明の方法とともに使用するための抗体は、本発明のポリペプチドに対する結合親和性に関しても記載され得るか、または明記され得る。好ましい結合親和性としては、5×10(−7)M、10(−7)M、5×10(−8)M、10(−8)M、5×10(−9)M、10(−9)M、5×10(−10)M、10(−10)M、5×10(−11)M、10(−11)M、5×10(−12)M、10(−12)M、5×10(−13)M、10(−13)M、5×10(−14)M、10(−14)M、5×10(−15)Mまたは10(−15)M未満の解離定数またはKdを有するものが挙げられる。] [0133] 本発明の方法とともに使用するためのある特定の抗体は、抗体1F2、1B3、MAbc0009、MAb163、MAb165およびMAb171の親和性と同一または類似の親和性をC35に対して有する。好ましくは、本発明の抗体は、抗体1F2、1B3、MAbc0009、MAb163、MAb165およびMAb171の親和性よりも高い親和性をC35に対して有する。] [0134] 本発明は、本明細書中に記載される抗体の1つ以上と同じ生物学的特徴の1つ以上を有する抗体(その抗体フラグメントまたはバリアントを含むか、またはそれらからなる、分子を含む)の使用も包含する。「生物学的特徴」とは、それらの抗体のインビトロまたはインビボにおける活性または特性(例えば、C35、HER2、EGFRおよび/もしくはIGFRポリペプチドに結合する能力;C35、HER2、EGFRおよび/もしくはIGFRポリペプチドによって媒介される生物学的活性を実質的に阻害するかまたは無効にする能力;C35、HER2、EGFRおよび/もしくはIGFRに関連する癌細胞を殺滅する能力;またはHER2、EGFRおよび/もしくはIGFRを発現している癌細胞のアポトーシスを誘導する能力)のことを意味する。必要に応じて、本発明の抗体は、本明細書中で具体的に言及される抗体の少なくとも1つと同じエピトープに結合する。そのようなエピトープ結合は、当該分野で公知のアッセイおよび本明細書中の以下に記載されるアッセイを用いて通例のとおり測定され得る。] [0135] 本発明のヒト化免疫グロブリンおよびヒト抗体バリアントは、実質的にヒト免疫グロブリン由来の可変フレームワーク領域(アクセプター免疫グロブリンと呼ばれる)、ならびに実質的にマウスC35、HER2、EGFRおよび/またはEGFRのVHおよびVL領域由来のCDR(ドナー免疫グロブリンと呼ばれる)を有する。それらの定常領域は、存在する場合、実質的にヒト免疫グロブリン由来でもある。そのヒト化抗体およびヒト抗体バリアントは、少なくとも10(2)、10(3)、10(4)、10(5)、10(6)、10(7)、10(8)、10(9)または10(10)M(−1)のC35、HER2、EGFRまたはIGFRに対する特異的結合親和性を示す。通常、ヒトC35、HER2またはEGFRに対するヒト化抗体およびヒト抗体バリアントの結合親和性の上限は、マウス抗体1F2または1B3の結合親和性の3、4、5または10倍以内である。しばしば、C35に対する結合親和性の下限は、1F2または1B3におけるマウス抗体の結合親和性の3、4、5または10倍以内でもある。好ましい抗C35ヒト化免疫グロブリンおよびヒト抗体バリアントは、C35に対する結合についてマウス抗体1F2または1B3と競合し、C35がそれぞれマウス抗体またはヒト抗体に結合するのを妨げる。] [0136] ありうるヒトアクセプター抗体の重鎖および軽鎖可変領域は、Kabat,Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health,Bethesda,Md.,1987および1991)によって記載されている。ヒトアクセプター抗体は、その可変領域が、マウスC35抗体またはマウスHER2抗体と高度の配列同一性を示すように選択される。重鎖および軽鎖の可変フレームワーク領域は、同じまたは異なるヒト抗体配列に由来し得る。ヒト抗体配列は、天然に存在するヒト抗体の配列であり得るか、またはいくつかのヒト抗体のコンセンサス配列であり得る。] [0137] ヒト化免疫グロブリンの設計は、以下のとおり行われ得る。アミノ酸が、以下のカテゴリーに該当するとき、使用されるヒト免疫グロブリン(アクセプター免疫グロブリン)のフレームワークアミノ酸は、CDRを提供する非ヒト免疫グロブリン(ドナー免疫グロブリン)由来のフレームワークアミノ酸によって置き換えられる: (a)アクセプター免疫グロブリンのヒトフレームワーク領域内のアミノ酸が、その位置におけるヒト免疫グロブリンに対して普通ではないものであるのに対し、ドナー免疫グロブリンにおける対応するアミノ酸が、その位置におけるヒト免疫グロブリンに対して代表的なものである; (b)そのアミノ酸の位置が、CDRの1つに直接隣接している;または (c)そのアミノ酸が、そのCDRと相互作用することができる(それぞれQueenら、WO92/11018.およびCoら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88,2869(1991)を参照のこと、両方ともが本明細書中で参考として援用される)。ヒト化免疫グロブリンの作製の詳細な説明については、QueenらおよびCoらを参照のこと。] [0138] 一般に、ヒト化抗体およびヒト抗体バリアントにおけるCDR領域は、それらが由来するマウスまたはヒト抗体における対応するCDR領域と実質的に同一、より一般には、同一である。得られるヒト化免疫グロブリンまたはヒト抗体バリアントの結合親和性にかなりの影響を与えずにCDR残基の1つ以上のアミノ酸置換をもたらすこと、および時折、CDR領域の置換またはCDR領域内の置換が結合親和性を増大させることが可能である。例えば、Iwahashiら、Mol.Immunol.36:1079−1091(1999);Glaserら、J.Immunol.149(8):2607−2614(1992);およびTamuraら、J.Immunol.164:1432−1441(2000)を参照のこと。] [0139] 上で述べた特定のアミノ酸置換以外で、ヒト化免疫グロブリンおよびヒト抗体バリアントのフレームワーク領域は、一般に、それらが由来するヒト抗体(アクセプター免疫グロブリン)のフレームワーク領域と実質的に同一であり、より一般には、同一である。当然のことながら、そのフレームワーク領域内のアミノ酸の多くが、抗体の特異性または親和性にほとんど寄与しないか、まったく寄与しない。したがって、フレームワーク残基の多くの個別の保存的置換は、得られるヒト化免疫グロブリンまたはヒト抗体バリアントの特異性または親和性を大きく変化することなく、許容され得る。] [0140] ファージディスプレイ技術は、結合親和性および特異性を保持しつつ親配列に対して実質的な配列同一性を有するアナログを選択するための強力な手法を提供する(例えば、Dowerら、WO91/17271;McCaffertyら、WO92/01047;およびHuse,WO92/06204;US2002/0123057A1を参照のこと;それらの各々が、本明細書中で参考として援用される)。] [0141] 前に記載されたように生成されるヒト化抗体またはヒト抗体バリアントの可変セグメントは、代表的には、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、代表的には、ヒト免疫グロブリンの少なくとも一部に連結される。ヒト定常領域DNA配列は、不死化されたB細胞などの種々のヒト細胞から周知の手順に従って単離され得る(Kabatら、前出およびWO87/02671を参照のこと)。その抗体は、軽鎖と重鎖の両方の定常領域を含み得る。重鎖定常領域は、CH1、ヒンジ、CH2、CH3、および時折、CH4領域を含み得る。治療的な目的のために、CH2ドメインは、欠失され得るか、または省かれ得る。] [0142] ヒト化抗体またはヒト抗体バリアントは、すべてのタイプの定常領域(IgM、IgG、IgD、IgAおよびIgEを含む)および任意のアイソタイプ(IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を含む)を有する抗体を含む。ヒト化抗体またはヒト抗体バリアントが細胞傷害活性を示すことが望まれるとき、定常ドメインは、通常、補体結合性の定常ドメインであり、そのクラスは、代表的には、IgG1である。そのような細胞傷害活性が望ましくないとき、定常ドメインは、IgG2クラスであり得る。ヒト化抗体またはヒト抗体バリアントは、1つより多いクラスまたはアイソタイプ由来の配列を含み得る。] [0143] キメラ抗体は、本発明における使用のためにも包含される。そのような抗体は、別の種(例えば、ヒトまたはマウスまたはウマなど)のCH領域および/またはCL領域に融合されたVH領域および/またはVL領域を含み得る。好ましい実施形態において、キメラ抗体は、ヒトC領域に融合されたマウス抗C35抗体またはマウス抗HER2抗体によってコードされるVHおよび/またはVL領域を含む。抗体が、治療的な目的において使用されるとき、ヒトCH2ドメインは、欠失され得る。キメラ抗体は、上に記載されたように抗体フラグメントを包含する。] [0144] 前に記載したように生成されるキメラ抗体の可変セグメントは、代表的には、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、代表的には、ヒト免疫グロブリンの少なくとも一部に連結される。ヒト定常領域DNA配列は、不死化されたB細胞などの種々のヒト細胞から周知の手順に従って単離され得る(Kabatら、前出およびWO87/02671を参照のこと)。その抗体は、軽鎖と重鎖の両方の定常領域を含み得る。重鎖定常領域は、CH1、ヒンジ、CH2、CH3、および時折、CH4領域を含み得る。治療的な目的のために、CH2ドメインは、欠失され得るか、または省かれ得る。] [0145] キメラ抗体は、すべてのタイプの定常領域(IgM、IgG、IgD、IgAおよびIgEを含む)および任意のアイソタイプ(IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を含む)を有する抗体を含む。キメラ抗体が細胞傷害活性を示すことが望まれるとき、定常ドメインは、通常、補体結合性の定常ドメインであり、そのクラスは、代表的には、IgG1である。そのような細胞傷害活性が望ましくないとき、定常ドメインは、IgG2クラスであり得る。キメラ抗体は、1つより多いクラスまたはアイソタイプ由来の配列を含み得る。] [0146] そのような免疫グロブリンを作製するために種々の方法が利用可能である。遺伝暗号の縮重が理由で、種々の核酸配列が、各免疫グロブリンのアミノ酸配列をコードする。所望の核酸配列は、デノボ固相DNA合成または所望のポリヌクレオチドの先に調製されていたバリアントのPCR突然変異誘発によって生成され得る。本願に記載される抗体をコードするすべての核酸が、明確に本発明に含められる。] [0147] 本発明の抗体全体、それらの二量体、個別の軽鎖および重鎖、または他の免疫グロブリン型は、いったん発現されると、硫安塩析、アフィニティーカラム、カラムクロマトグラフィ、ゲル電気泳動などをはじめとした当該分野における標準的な手順に従って精製され得る(一般に、Scopes,R.,Protein Purification,Springer−Verlag,N.Y.(1982)を参照のこと。これは、本明細書中で参考として援用される)。少なくとも約90〜95%の均一性の実質的に純粋な免疫グロブリンが好ましく、薬学的な用途に対しては、98〜99%またはそれ以上の均一性が、最も好ましい。いったん、所望のとおり部分的または均一に精製されると、それらのポリペプチドは、アッセイ手順、蛍光免疫染色などの開発および実施(一般に、Immunological Methods,Vol.IおよびII,Lefkovits and Pernis,eds.,Academic Press,New York,N.Y.(1979および1981)を参照のこと)またはC35の検出もしくはC35に関連する癌の診断において、治療的に(体外的を含む)使用され得る。] [0148] 以下でより詳細に述べられるように、本発明の方法において使用するための抗体は、単独で、互いに組み合わせて、または他の組成物と組み合わせて、使用され得る。それらの抗体は、さらに、NもしくはC末端において異種性ポリペプチドに組換え的に融合され得るか、またはポリペプチドもしくは他の組成物に化学的に結合体化され得る(共有結合性および非共有結合性の結合体化を含む)。例えば、本発明の抗体は、検出アッセイにおける標識およびエフェクター分子(例えば、異種性ポリペプチド、薬物、放射性核種またはトキシン)として有用な分子に、組換え的に融合され得るか、または結合体化され得る。例えば、PCT公開WO92/08495;WO91/14438;WO89/12624;米国特許第5,314,995号;およびEP396,387(これらはその全体が本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。] [0149] 本発明の方法において使用するための抗体は、すなわち、その抗体への任意のタイプの分子の共有結合(共有結合は、その抗体がC35、HER2、EGFRまたはIGFRに結合するのを妨げない)によって改変された誘導体を含む。例えば、限定されないが、その抗体誘導体は、例えば、グリコシル化、アセチル化、ペグ化、ホスホ化(phosphylation)、リン酸化、アミド化、公知の保護基/ブロック基による誘導体化、タンパク分解性切断、細胞性リガンドまたは他のタンパク質への結合などによって改変された抗体を含む。数多くの化学修飾のうちのいずれかが、公知の手法(特定の化学的切断、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝合成などを含むがこれらに限定されない)によって行われ得る。さらに、その誘導体は、1つ以上の非古典的アミノ酸を含み得る。] [0150] 本発明の方法において使用するための抗体は、ペプチド結合または改変されたペプチド結合によって互いに結合されたアミノ酸から構成され得(すなわち、ペプチド同配体)、そして遺伝子によってコードされる20個のアミノ酸以外のアミノ酸を含み得る。本発明の方法において使用するための抗体は、翻訳後プロセシングなどの天然のプロセスまたは当該分野で周知の化学修飾手法によって修飾され得る。そのような修飾は、基礎的な教科書およびより詳細なモノグラフ、ならびに膨大な研究文献に十分に記載されている。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノまたはカルボキシル末端を含む抗体内のどの箇所でも起き得る。同じタイプの修飾が、所与の抗体内のいくつかの部位において、同じ程度または異なる程度で存在し得ることが認識されるだろう。また、所与の抗体は、多くのタイプの修飾を含み得る。抗体は、例えば、ユビキチン化の結果として、分枝状であり得、そして分枝ありまたはなしで、環状であり得る。環状、分枝状および分枝状で環状の抗体は、翻訳後の天然のプロセスに起因し得るか、または合成方法によって作製され得る。修飾としては、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトール(phosphotidylinositol)の共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合性架橋の形成、システインの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、ペグ化、タンパク分解性プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化(selenoylation)、硫酸化、アルギニン化などのタンパク質へのアミノ酸の転移RNA媒介性付加、およびユビキチン化が挙げられる(例えば、PROTEINS−STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES,2nd Ed.,T.E.Creighton,W.H.Freeman and Company,New York(1993);POSTTRANSLATIONALCOVALENTMODIFICATION OF PROTEINS,B.C.Johnson,Ed.,Academic Press,New York,pgs.1−12(1983);Seifterら、Meth Enzymol 182:626−646(1990);Rattanら、Ann NY Acad Sci 663:48−62(1992)を参照のこと)。] [0151] 本発明のさらなる実施形態は、少なくとも1つのアミノ酸置換であるが、多くとも50アミノ酸置換、なおもより好ましくは、多くとも40個のアミノ酸の置換、さらにより好ましくは、多くとも30アミノ酸の置換、さらになおもより好ましくは、多くとも20アミノ酸の置換を含む、アミノ酸配列を有する抗体配列のアミノ酸配列を含むポリペプチドに関する。当然のことながら、好ましさの低い方から順に、ポリペプチドが、少なくとも1つであるが多くとも10、9、8、7、6、5、4、3、2または1個のアミノ酸の置換を含む抗体配列を含むアミノ酸配列を有することが非常に好ましい。特定の実施形態において、抗体配列における付加、置換および/または欠失の数は、1〜5、5〜10、5〜25、5〜50、10〜50または50〜150である。置換について、保存的アミノ酸置換が、好ましい。それらの置換は、フレームワーク領域内もしくはCDR内またはそれらの両方の中に存在し得る。] [0152] この節における記載は、本発明の方法において有用なC35、HER2、EGFRおよび/またはIGFR抗体に適用される。そのような抗体は、本明細書中に記載されるようにトキシンに結合体化され得るか、もしくはトキシンと複合体化され得るか、または結合体化され得ないか、もしくは複合体化され得ない。] [0153] IV.C35、HER2およびEGFR抗体ポリペプチド 本発明は、さらに、本発明の抗体を構成する単離されたポリペプチドおよびそのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに関する。本発明の抗体は、ポリペプチド、例えば、免疫グロブリン分子に由来するC35、HER2またはEGFRに特異的な抗原結合領域をコードするアミノ酸配列を含む。指定されたタンパク質「に由来する」ポリペプチドまたはアミノ酸配列とは、そのポリペプチドの起源のことを指す。ある特定の場合において、特定の出発ポリペプチドまたは出発アミノ酸配列に由来するポリペプチドまたはアミノ酸配列は、出発配列のアミノ酸配列と本質的に同一であるアミノ酸配列またはその一部を有し、ここで、その一部は、少なくとも10〜20アミノ酸、少なくとも20〜30アミノ酸、少なくとも30〜50アミノ酸からなるか、またはそのポリペプチドもしくはアミノ酸配列は、出発配列の起源を有すると別途当業者によって同定可能である。] [0154] 1つの実施形態において、本発明は、免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる単離されたポリペプチドを提供し、ここで、その重鎖可変領域のCDRのうちの少なくとも1つまたはその重鎖可変領域のCDRのうちの少なくとも2つは、上で参照されたC35、HER2またはEGFR抗体由来の参照重鎖CDR1、CDR2またはCDR3アミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、99%または100%同一である。あるいは、そのVHのCDR1、CDR2およびCDR3領域は、上で参照された抗体由来の参照重鎖CDR1、CDR2およびCDR3アミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、99%または100%同一である。] [0155] ある特定の実施形態において、上に記載されたVHポリペプチドの1つ以上を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる抗体またはその抗原結合フラグメントは、1F2、1B3、MAbc0009、MAb163、MAb165およびMAb171からなる群から選択されるモノクローナル抗体と同じエピトープに特異的もしくは優先的に結合するか、またはそのようなモノクローナル抗体がC35に結合するのを競合的に阻害し得る。] [0156] ある特定の実施形態において、上に記載されたVHポリペプチドの1つ以上を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる抗体またはその抗原結合フラグメントは、5×10−2M、10−2M、5×10−3M、10−3M、5×10−4M、10−4M、5×10−5M、10−5M、5×10−6M、10−6M、5×10−7M、10−7M、5×10−8M、10−8M、5×10−9M、10−9M、5×10−10M、10−10M、5×10−11M、10−11M、5×10−12M、10−12M、5×10−13M、10−13M、5×10−14M、10−14M、5×10−15Mまたは10−15Mより大きくない解離定数(KD)を特徴とする親和性で、C35、HER2もしくはEGFRポリペプチドまたはそれらのフラグメント、あるいはC35、HER2またはEGFRバリアントポリペプチドに特異的または優先的に結合する。] [0157] 別の実施形態において、本発明は、免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる単離されたポリペプチドを提供し、ここで、その軽鎖可変領域のCDRのうちの少なくとも1つまたはその軽鎖可変領域のCDRのうちの少なくとも2つは、上で参照されたC35、HER2またはEGFR抗体由来の参照重鎖CDR1、CDR2またはCDR3アミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、99%または100%同一である。あるいは、そのVLのCDR1、CDR2およびCDR3領域は、上で参照された抗体の参照軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3アミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、99%または100%同一である。] [0158] ある特定の実施形態において、上に記載されたVLポリペプチドのうちの1つ以上を含むか、それらから本質的になる抗体またはその抗原結合フラグメントは、1F2、1B3、MAbc0009、MAb163、MAb165およびMAb171からなる群から選択されるモノクローナル抗体と同じエピトープに特異的または優先的に結合するか、またはそのようなモノクローナル抗体がC35に結合するのを競合的に阻害し得る。] [0159] ある特定の実施形態において、上に記載されたVLポリペプチドのうちの1つ以上を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる抗体またはその抗原結合フラグメントは、5×10−2M、10−2M、5×10−3M、10−3M、5×10−4M、10−4M、5×10−5M、10−5M、5×10−6M、10−6M、5×10−7M、10−7M、5×10−8M、10−8M、5×10−9M、10−9M、5×10−10M、10−10M、5×10−11M、10−11M、5×10−12M、10−12M、5×10−13M、10−13M、5×10−14M、10−14M、5×10−15Mまたは10−15Mより大きくない解離定数(KD)を特徴とする親和性で、C35、HER2もしくはEGFRポリペプチドまたはそれらのフラグメントあるいはC35、HER2またはEGFRバリアントポリペプチドに特異的または優先的に結合する。] [0160] 上に記載されたポリペプチドのいずれかは、追加のポリペプチド、例えば、コードされるポリペプチド、本明細書中に記載されるような抗体定常領域、または本明細書中に記載されるような他の異種性ポリペプチドの分泌を指示するシグナルペプチドをさらに含み得る。さらに、本発明のポリペプチドは、他の個所に記載されるようなポリペプチドフラグメントを含む。さらに、本発明のポリペプチドは、本明細書中に記載されるような、融合ポリペプチド、Fabフラグメントおよび他の誘導体を含む。] [0161] 本明細書中に開示されるようなC35、HER2またはEGFR抗体ポリペプチドは、それらが由来する天然に存在する結合ポリペプチドとアミノ酸配列が異なるように改変され得ることも、当業者によって理解されるだろう。例えば、指定のタンパク質に由来するポリペプチドまたはアミノ酸配列は、出発配列と類似であり得、例えば、出発配列とある特定の同一性パーセントを有し、例えば、出発配列と60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または99%同一であり得る。]
权利要求:
請求項1 C35およびHER2を発現する癌細胞を殺滅する方法であって、該方法は、該細胞に:(a)C35に特異的に結合する、ある量の抗C35抗体またはその抗原結合フラグメント;および(b)HER2に特異的に結合する、ある量の抗HER2抗体またはその抗原結合フラグメントを投与する工程を包含し、ここで、抗C35抗体の該量および該抗HER2抗体の該量は、該癌細胞を殺滅するために有効である、方法。 請求項2 (c)ある量の治療薬を投与する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。 請求項3 前記方法が、インビボにおいて行われる、請求項1または2に記載の方法。 請求項4 前記方法が、哺乳動物において行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。 請求項5 前記哺乳動物が、ヒトである、請求項4に記載の方法。 請求項6 前記治療薬が、化学療法剤である、請求項2〜5のいずれかに記載の方法。 請求項7 前記化学療法剤が、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセル、アドリアマイシン、ドセタキセル、タキソテール、ゲムシタビンおよびビノレルビンからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。 請求項8 前記化学療法剤が、パクリタキセルである、請求項7に記載の方法。 請求項9 前記化学療法剤が、アドリアマイシンである、請求項7に記載の方法。 請求項10 前記治療薬が、放射線である、請求項2〜5のいずれかに記載の方法。 請求項11 前記治療薬が、前記抗C35抗体または前記抗HER2抗体のうちの少なくとも1つを投与する前に投与される、請求項2〜10のいずれか1項に記載の方法。 請求項12 前記治療薬が、前記抗C35抗体または前記抗HER2抗体のうちの少なくとも1つを投与した後に投与される、請求項2〜10のいずれか1項に記載の方法。 請求項13 前記治療薬が、前記抗C35抗体または前記抗HER2抗体のうちの少なくとも1つと同時に投与される、請求項2〜10のいずれか1項に記載の方法。 請求項14 前記抗C35抗体と前記抗HER2抗体とが、同時に投与される、請求項2〜10のいずれか1項に記載の方法。 請求項15 前記抗C35抗体および前記抗HER2抗体が、連続的に投与される、請求項2〜10のいずれか1項に記載の方法。 請求項16 前記抗体またはそのフラグメントの各々が、約0.1mg/kgから約100mg/kg患者体重の用量で投与される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。 請求項17 前記抗C35抗体またはフラグメントが、C35に対する結合特異性を保持する、1F2、1B3、MAbc0009、MAb163、MAb165、MAb171およびそれらのバリアントまたは誘導体からなる群から選択される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。 請求項18 前記抗C35抗体またはフラグメントが、C35に対する結合特異性を保持する、1F2またはそのバリアントもしくは誘導体である、請求項17に記載の方法。 請求項19 前記抗C35抗体またはフラグメントが、C35に対する結合特異性を保持する、1B3またはそのバリアントもしくは誘導体である、請求項17に記載の方法。 請求項20 前記抗HER2抗体が、トラスツズマブである、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。 請求項21 前記癌細胞が、乳癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、肺癌、前立腺癌、膵癌、結腸癌およびメラノーマからなる群から選択される、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。 請求項22 前記癌細胞が、乳癌細胞である、請求項21に記載の方法。 請求項23 前記乳癌細胞が、乳管内癌細胞である、請求項22に記載の方法。 請求項24 前記方法が、1つより多い抗C35抗体またはそのフラグメントを投与する工程を包含する、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。 請求項25 前記方法が、1つより多い抗HER2抗体を投与する工程を包含する、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。 請求項26 前記抗C35抗体が、ヒト化抗体、キメラ抗体またはヒト抗体である、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。 請求項27 前記抗HER2抗体が、ヒト化抗体、キメラ抗体またはヒト抗体である、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。 請求項28 患者におけるC35陽性癌細胞を殺滅する方法であって、該方法は:a)該患者の癌細胞のサンプルにおけるEGFRおよびHER2の発現について試験する工程;およびb)該癌細胞が、EGFR発現について陽性であるとき、該癌細胞を殺滅するのに有効な、ある量の抗EGFR抗体およびある量の抗C35抗体を投与する工程;またはc)該癌細胞が、HER2発現について陽性であるとき、該癌細胞を殺滅するのに有効な、ある量の抗HER2抗体およびある量の抗C35抗体を投与する工程を包含する、方法。 請求項29 前記EGFRまたはHER2の発現が、インビトロアッセイによって測定される、請求項28に記載の方法。 請求項30 前記インビトロアッセイが、免疫組織化学(IHC)、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)からなる群から選択される、請求項29に記載の方法。 請求項31 前記EGFRまたはHER2の発現が、インビボアッセイによって測定される、請求項28に記載の方法。 請求項32 前記EGFRまたはHER2の発現が、細胞イメージングアッセイによって測定される、請求項31に記載の方法。 請求項33 前記EGFRおよびHER2の発現が、異なるアッセイ方法によって測定される、請求項28に記載の方法。 請求項34 前記EGFRおよびHER2の発現が、同じアッセイ方法によって測定される、請求項28に記載の方法。 請求項35 前記癌が、乳癌である、請求項28に記載の方法。 請求項36 前記乳癌が、乳管内癌である、請求項35に記載の方法。 請求項37 前記乳癌が、乳癌転移である、請求項35に記載の方法。 請求項38 前記抗EGFR抗体が、セツキシマブである、請求項28に記載の方法。 請求項39 前記抗HER2抗体が、トラスツズマブである、請求項28に記載の方法。 請求項40 前記抗C35抗体が、C35に対する結合特異性を保持する、1B3またはそのヒト化バリアントもしくはヒト化誘導体である、請求項28に記載の方法。 請求項41 前記抗C35抗体が、C35に対する結合特異性を保持する、1F2またはそのヒト化バリアント誘導体である、請求項28に記載の方法。 請求項42 前記抗C35抗体が、完全ヒト抗体である、請求項28に記載の方法。 請求項43 前記抗EGFR抗体と前記抗C35抗体とが、異なる時点で投与される、請求項28に記載の方法。 請求項44 前記抗EGFR抗体が、前記抗C35抗体の前に投与される、請求項43に記載の方法。 請求項45 前記抗HER2抗体と前記抗C35抗体とが、異なる時点で投与される、請求項28に記載の方法。 請求項46 前記抗HER2抗体が、前記抗C35抗体の前に投与される、請求項45に記載の方法。 請求項47 C35陽性癌を有する患者に対する処置を計画する方法であって、該方法は:(a)該癌患者由来の生物学的サンプルにおけるHER2およびEGFRの発現について試験する工程;(b)抗C35抗体およびHER2またはEGFRに対する抗体を含む併用抗体療法を選択する工程を包含し、ここで、該生物学的サンプルが、HER2発現について陽性であるときに、抗HER2抗体が選択され、該生物学的サンプルがEGFR発現について陽性であるときにEGFR抗体が選択される、方法。 請求項48 前記生物学的サンプルが、腫瘍組織、血漿および血清からなる群から選択される、請求項47に記載の方法。 請求項49 前記C35陽性癌が、乳癌である、請求項47に記載の方法。 請求項50 前記乳癌が、乳管内癌である、請求項49に記載の方法。 請求項51 前記乳癌が、乳癌転移である、請求項49に記載の方法。 請求項52 前記抗EGFR抗体が、セツキシマブである、請求項47に記載の方法。 請求項53 前記抗HER2抗体が、トラスツズマブである、請求項47に記載の方法。 請求項54 前記抗C35抗体が、C35に対する結合特異性を保持する、1B3またはそのヒト化バリアントもしくはヒト化誘導体である、請求項47に記載の方法。 請求項55 前記抗C35抗体が、C35に対する結合特異性を保持する、1F2またはそのヒト化バリアント誘導体である、請求項47に記載の方法。 請求項56 前記抗C35抗体が、完全ヒト抗体である、請求項47に記載の方法。 請求項57 抗体併用療法を用いて癌を処置する方法に対して治療的に応答する患者を同定するための方法であって、該方法は:a)該患者の癌細胞のサンプルにおけるC35、EGFRおよびHER2の発現について試験する工程;b)該癌細胞において発現されるC35、EGFR、HER2の組み合わせを決定する工程;およびc)該癌細胞において発現されるC35、EGFRおよびHER2の組み合わせに対する抗体の組み合わせを提供する工程を包含する、方法。 請求項58 前記癌が、乳癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、肺癌、前立腺癌、膵癌、結腸癌およびメラノーマからなる群から選択される、請求項57に記載の方法。 請求項59 前記癌が、乳癌である、請求項58に記載の方法。 請求項60 前記乳癌が、乳管内癌である、請求項59に記載の方法。 請求項61 前記C35、EGFRおよびHER2の発現が、インビトロアッセイによって測定される、請求項57に記載の方法。 請求項62 前記インビトロアッセイが、免疫組織化学(IHC)、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)からなる群から選択される、請求項61に記載の方法。 請求項63 前記EGFRまたはHER2の発現が、インビボアッセイによって測定される、請求項57に記載の方法。 請求項64 前記EGFRまたはHER2の発現が、細胞イメージングアッセイによって測定される、請求項63に記載の方法。 請求項65 前記細胞が、C35とEGFRとの組み合わせを発現する、請求項57に記載の方法。 請求項66 前記抗体の組み合わせが、抗C35抗体および抗EGFR抗体を含む、請求項65に記載の方法。 請求項67 前記細胞が、C35とHER2との組み合わせを発現する、請求項57に記載の方法。 請求項68 前記抗体の組み合わせが、抗C35抗体および抗HER2抗体を含む、請求項65に記載の方法。 請求項69 前記細胞が、C35、EGFRおよびHER2の組み合わせを発現する、請求項57に記載の方法。 請求項70 前記提供される抗体の組み合わせが、抗C35抗体、抗EGFR抗体および抗HER2抗体である、請求項69に記載の方法。 請求項71 d)前記患者の癌細胞のサンプルにおけるIGFRの発現について試験する工程;e)該癌細胞において発現される、C35、EGFR、HER2およびIGFRの組み合わせを決定する工程;およびf)該癌細胞において発現される、C35、EGFR、HER2およびIGFRの組み合わせに対する抗体の組み合わせを提供する工程をさらに包含する、請求項57に記載の方法。 請求項72 前記細胞が、C35とIGFRとの組み合わせを発現する、請求項71に記載の方法。 請求項73 前記抗体の組み合わせが、抗C35抗体および抗IGFR抗体を含む、請求項72に記載の方法。 請求項74 C35およびEGFRを発現する癌細胞を殺滅するための方法であって、該方法は、該細胞に:(a)C35に特異的に結合する、ある量の抗C35抗体またはその抗原結合フラグメント;および(b)EGFRに特異的に結合する、ある量の抗EGFR抗体またはその抗原結合フラグメントを投与する工程を包含し、ここで、抗C35抗体の該量および該抗EGFR抗体の該量は、該癌細胞を殺滅するために有効である、方法。 請求項75 (c)ある量の治療薬を投与する工程をさらに包含する、請求項74に記載の方法。 請求項76 前記方法が、インビボにおいて行われる、請求項74または75に記載の方法。 請求項77 前記方法が、哺乳動物において行われる、請求項73〜75のいずれか1項に記載の方法。 請求項78 前記哺乳動物が、ヒトである、請求項77に記載の方法。 請求項79 前記治療薬が、化学療法剤である、請求項75〜78のいずれかに記載の方法。 請求項80 前記化学療法剤が、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセル、アドリアマイシン、ドセタキセル、タキソテール、ゲムシタビンおよびビノレルビンからなる群から選択される、請求項79に記載の方法。 請求項81 前記化学療法剤が、パクリタキセルである、請求項80に記載の方法。 請求項82 前記化学療法剤が、アドリアマイシンである、請求項80に記載の方法。 請求項83 前記治療薬が、放射線である、請求項75〜78のいずれかに記載の方法。 請求項84 前記治療薬が、前記抗C35抗体または前記抗EGFR抗体のうちの少なくとも1つを投与する前に投与される、請求項75〜83のいずれか1項に記載の方法。 請求項85 前記治療薬が、前記抗C35抗体または前記抗EGFR抗体のうちの少なくとも1つを投与した後に投与される、請求項75〜83のいずれか1項に記載の方法。 請求項86 前記治療薬が、前記抗C35抗体または前記抗EGFR抗体のうちの少なくとも1つと同時に投与される、請求項75〜83のいずれか1項に記載の方法。 請求項87 前記抗C35抗体と前記抗EGFR抗体とが、同時に投与される、請求項75〜83のいずれか1項に記載の方法。 請求項88 前記抗C35抗体および前記抗EGFR抗体が、連続的に投与される、請求項75〜83のいずれか1項に記載の方法。 請求項89 前記抗体またはそのフラグメントの各々が、約0.1mg/kgから約100mg/kg患者体重の用量で投与される、請求項75〜88のいずれか1項に記載の方法。 請求項90 前記抗C35抗体またはフラグメントが、C35に対する結合特異性を保持する、1F2、1B3、MAbc0009、MAb163、MAb165、MAb171およびそれらのバリアントまたは誘導体からなる群から選択される、請求項75〜88のいずれか1項に記載の方法。 請求項91 前記抗C35抗体またはフラグメントが、C35に対する結合特異性を保持する、1F2またはそのバリアントもしくは誘導体である、請求項90に記載の方法。 請求項92 前記抗C35抗体またはフラグメントが、C35に対する結合特異性を保持する、1B3またはそのバリアントもしくは誘導体である、請求項90に記載の方法。 請求項93 前記抗EGFR抗体が、セツキシマブである、請求項75〜92のいずれか1項に記載の方法。 請求項94 前記癌細胞が、乳癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、肺癌、前立腺癌、膵癌、結腸癌およびメラノーマからなる群から選択される、請求項75〜93のいずれか1項に記載の方法。 請求項95 前記癌細胞が、乳癌細胞である、請求項94に記載の方法。 請求項96 前記乳癌細胞が、乳管内癌細胞である、請求項95に記載の方法。 請求項97 前記方法が、1つより多い抗C35抗体またはそのフラグメントを投与する工程を包含する、請求項75〜96のいずれか1項に記載の方法。 請求項98 前記方法が、1つより多い抗EGFR抗体を投与する工程を包含する、請求項75〜97のいずれか1項に記載の方法。 請求項99 前記抗C35抗体が、ヒト化抗体、キメラ抗体またはヒト抗体である、請求項75〜98のいずれか1項に記載の方法。 請求項100 前記抗EGFR抗体が、ヒト化抗体、キメラ抗体またはヒト抗体である、請求項75〜99のいずれか1項に記載の方法。
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